東大の2次試験まであと3日。多くの受験生は追い込みを掛けていることでしょう。2次試験では、文系と理系とで会場が異なります。今回は理系の試験会場の注意点についてお伝えします。
理系の2次試験は、赤門や安田講堂で有名な本郷キャンパスで行われます。本郷キャンパスの最寄り駅は東京メトロ丸ノ内線・都営大江戸線の本郷三丁目駅、東京メトロ南北線の東大前駅、東京メトロ千代田線の根津駅です。どの駅からもキャンパスまで10分から15分程度歩く必要があるので、必ず事前に乗る電車やキャンパスまでの道を確認しておきましょう。キャンパスには正門(最寄りは本郷三丁目駅や東大前駅)や龍岡門(本郷三丁目駅)、弥生門(根津駅)などさまざまな門があり、構内も端から端まで歩くのに10分かかるほど広いです。駅からキャンパスまでの道だけでなく、受験会場となる建物までも歩いて確認しておくと良いでしょう。
受験当日は昼休みも長いので気分転換に散歩するつもりの受験生もいるかもしれませんが、あまり遠くまで歩き回らないことをお勧めします。キャンパスが広く、似たような建物が並んでいるので迷子になる可能性が高いです。外に出て気分転換する場合には分かりやすい道を選び、むやみに曲がったりせずに迷子にならないよう気をつけましょう。時間に余裕を持って会場に戻ることが大切です。
構内には購買やコンビニもありますが、昼食は弁当を持参するか朝買っておくのが良いでしょう。昼休みに購入することも可能ですが、混んでいたり上記のように迷ったりすると時間的にも精神的にも余裕がなくなってしまいます。
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トイレは各建物にありますが、トイレの数や暖房の効き具合は建物によって差があります。以下、各建物の特徴を並べていきます(昨年度の情報のため今年度とは異なる可能性があります)。
法文系
法文1号館、法文2号館などは正門から入ってすぐで分かりやすいかと思います。赤門を正門と勘違いしている方がたまにいらっしゃいますが、両者は別物なので注意しましょう。本郷三丁目駅から来る場合は赤門を過ぎた次の門、東大前駅から来る場合は、農正門を過ぎて道路を渡った後に見える次の大きな門です。東大前駅から歩いてすぐの農正門から入ると農学部しかないので気を付けましょう。迷い込んでしまう人はかなり多いです。
法文1号館・2号館は大教室が多く、内部の廊下がくねくねと曲がっていて迷いやすいです。トイレなどに行く場合は時間に余裕を見て行きましょう。また、トイレは少ないので混雑する可能性があります。お薦め散歩コースは正門から安田講堂までのイチョウ並木です。イチョウはもう枯れていますが、迷うことがないので安心です。
工学部系
工学部の建物は正門から入って左側にあります。根津駅で降りて弥生門から入ってもいいと思いますが、根津駅からの道は他の駅からの道よりも迷いやすいので必ず下見をしておきましょう。工学部1号館はかなり古い建物で、内田祥三さんによる設計である「内田ゴシック」と呼ばれる様式で建てられています。工学部2号館・3号館は比較的新しい建物で、ガラス張りの部分があります。工学部の建物は14号館まであるので入る際には何号館か確認しておきましょう。ちなみに、工学部2号館にはサブウェイ、11号館にはスターバックスコーヒーがあります。
理学部系
理学部の建物は正門から入る場合は安田講堂の裏側、弥生門から入る場合は緩い坂を登ったあたりにあります。ただし、理学部2号館は赤門から入って右側にあります。他の建物からはかなり離れているので注意してください。机は広めであるため、比較的答案を書きやすいでしょう。
経済学部系
経済学部の建物は赤門から入ってすぐ右にあります。本郷三丁目駅から来るのが良いと思います。昨年改修が完成した、新しい建物なのできれいで快適に過ごせるでしょう。
医学部系
医学部の建物は赤門から入って右側にあります。本郷三丁目駅から来るのが良いでしょう。赤門の正面に見えるのが医学部2号館です。1号館・3号館はその正面の道を右に曲がったところにあります。
薬学部系
薬学部の建物は赤門から入って右奥の方にあります。赤門の正面に見える医学部2号館の右側を通った先の右側に見えます。本郷三丁目駅から来るのが良いでしょう。
農学部系
農学部の建物は本郷キャンパスの隣にある弥生キャンパスにあります。本郷キャンパスと陸橋でつながっていますが、農正門から入るのが一番分かりやすいです。そのため、東大前駅から来るのをお勧めします。農正門から入って右側が1号館、左側が2号館、正面が3号館です。1号館・2号館は蛍光灯が点滅していて薄暗い雰囲気ですが、トイレの案内が分かりやすく貼ってあるので迷うことはあまりないでしょう。ただ、トイレの個数が少ないので混むことがあるかもしれません。
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試験終了後には、受験生が駅に押し寄せるので、駅・電車内の混雑は覚悟しておきましょう。試験が終わった後に待たされるかもしれないので、1日目は2日目の試験科目の参考書を持ってきておくと待ち時間を有効に使えるでしょう。
ここまでさまざまなことを書いてきましたが、実際のことは当日になってみないと分からないこともあります。ただ、事前にイメージしておくことが重要であり、想定外をできるだけ減らしておくと当日焦ることが少なくなります。下見をしておくとよいでしょう。良い気分転換にもなります。
当日は想定と違ってもパニックにならないように。東大の受験生にはさまざまな人がいるので周りの人が気になって落ち着かない気分になることがあると思いますが、そういうときは一度深呼吸をして気持ちをリセットしましょう。また、真ん中の人が外に出るときは隣の人がいちいち席を立たなきゃいけないことが多いです。面倒ですが、それでいちいちストレスをためるのも良くありません。小さなことが気に掛かって集中が切れてしまうかもしれませんが、「全然集中できていない」と思えば思うほど焦ってきます。寛容な精神で試験に臨むと良いでしょう。
※この記事は、2017年公開の東大新聞オンラインの記事に加筆修正を加えたものです。
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