受験

2017年3月9日

【東大受験生応援連載】4年ぶりの合格者番号掲示 東大新聞で歴史を振り返る

 3月10日は東大入試の合格発表。長きにわたり東大入試の風物詩とされてきたのが、本郷キャンパスでの合格者番号の掲示だ。2016年度入試まで3年間中止されてきた掲示は、今回の入試から再開されることになった。本郷キャンパスでの掲示がどのような経緯をたどってきたのか、過去の東京大学新聞の記事や写真と共に振り返ってみよう。

 

 本郷キャンパスでの合格者場号の掲示は1972年度入試の際に始まった。当初は掲示場所が御殿下グラウンドだったが、1975年度入試で弓道場前に変更。1980年代には本郷キャンパスの工事の影響で、駒場キャンパスで掲示が実施された年もあったが、基本的には本郷キャンパスの弓道場前で掲示が行われてきた。

 

 2013年度入試の合格発表からは、本郷キャンパスでの合格者番号の掲示と同時に東大のウェブサイトでも合否の確認ができるようになった。

 

 2013年7月24日の記者会見で、東大は2014年度入試から3年間、本郷キャンパス弓道場前での合格者番号の掲示を中止すると発表。弓道場前が総合図書館の工事の資材運搬通路になるためだった。記者会見では、以後の実施は未定だとされていた。

 

2013年7月30日発行『週刊 東京大学新聞』

 

 2014年度入試の合格発表は東大のウェブサイトに限られ、毎年にぎわいを見せていた本郷キャンパスは閑散としていた。

 

合格者番号の掲示が実施されず、閑散とする弓道場前(=2014年3月10日、本郷キャンパスにて)

 

 合格者番号の掲示が復活すると分かったのは、2016年11月14日。同日の記者会見で、再開理由は「中止の原因であるキャンパス内の工事が長引く中、工夫すれば実施できると判断したため」と説明された。東京大学新聞社が受験生に対して行った取材では、掲示の復活を喜ぶ声が多く聞かれた。

 

2016年11月22日発行『週刊 東京大学新聞』

 

 今回の入試では東大のウェブサイトでの発表から30分ほど遅く、午後0時半ごろに合格者番号の掲示が実施される。受験生の多くが携帯電話を持つ今の時代、合格発表の速報性から見ると、もはや意味を持たなくなった掲示。それでもなお多くの受験生が胸を躍らせるのは、努力を重ねてきた受験勉強の終わりにふさわしい魅力がそこにあるからなのかもしれない。

(文・石井達也)


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