東大の2次試験まで残すところあと1カ月。東大新聞オンラインでは東大受験生応援連載として、東大受験に役立つ情報を発信していきます。今回は数学の勉強法アドバイスです。
数学は文・理共に1日目の14時から試験が始まる。1問当たりの配点が高く差が付きやすい教科のため、東大入試の要となる試験となるだろう。得意の数学で稼いで合格を狙うという受験生から、苦手だから最低限の点数を目指すという受験生までおり、さまざまな戦略が考えられる。
しかしこの時期の数学の学習における受験生共通の重要ポイントは、残念ながら「大幅なレベルアップは望めない」ということ。したがってやみくもに問題を解くのではなく、一番念頭に置くべきは「本番の点数最大化のための徹底したシミュレーション」だろう。具体的には、過去問を通じた問題演習が最善だ。時間を計って本番さながらの雰囲気のなか1年分に取り組む、解いたことのある問題を解き直して出題パターンを確認するなど多種多様な活用方法がある。漫然と進めず個々人の戦略にあった工夫をしたい。
その他にも、点数最大化に向けた工夫はできる。例えばミスが多い自覚のある人は、「問題文を読み違えた」「有理化の際に計算ミス」など、演習の際に間違えた問題の原因を書き出しておくというのも、ケアレスミスが命取りとなる東大数学においては効果があると思われる。数学が苦手な人は分野ごとに典型問題の解法を一通り確認しておくのも本番を見据えた対策と言える。受験直前はいくら時間があっても足りないはず。優先順位を付けながら、「やった方がいい勉強」ではなく「やるべき勉強」を見つけ出し、最も自分に合った学習方法を選んでいただければと思う。
プレッシャーのかかる数学の試験には特によく当てはまることだが、当日最も重要なのは平常心を保つことだ。そのためにできる準備は全てしておこう。しばしば「数学が0点でも受かる受験対策を」といわれるが、そうも言っていられないという受験生も多いのではなかろうか。ならばイメージトレーニングも含め徹底的に本番のシミュレーションと自己分析をして、自分の最大限の力を出し切るために備えるしかない。周囲のペースに流され過ぎることなく、自分だけの東大受験を成功させよう。
(文Ⅰ・2年)
【東大受験生応援連載】