日本学術振興会は12月27日、研究成果が優れた若手研究者を表彰する「日本学術振興会賞」の第13回受賞者25人を発表し、東大からは史上最多の8人が選ばれた。
総合系では杉山将教授(新領域創成科学研究科)と松崎政紀教授(医学系研究科)の受賞が決定。杉山教授は、与えられたデータから知識を自動で獲得する「機械学習」の分野で、データ生成のされ方が変化しても継続できる理論を構築。松崎教授は脳のシナプスの部位選択的な刺激・観察方法を開発し、シナプスの変化の能力と機構・構造との関係を明らかにした。
人社系では川口大司教授(経済学研究科)が選ばれた。自営業・賃金労働者間の収入格差など労働市場の不平等を、大規模データを用いた新手法で説明した。
理工系では志甫淳教授(数理科学研究科)、吉田直紀教授(理学系研究科)、千葉大地准教授(工学系研究科)の受賞が決定。志甫教授は「標数p」の世界で数論幾何学の基本的性質を発見した。吉田教授は、宇宙で最初に誕生した星の性質などをシミュレーションで予言。千葉准教授は電界の制御だけで「磁性体」の性質を変化させることに世界で初めて成功した。
生物系では、共に農学生命科学研究科の伏信進矢教授と勝間進准教授が選ばれた。伏信教授は構造解析などで、糖質に関わる酵素の分子進化過程などを解明。勝間准教授はカイコの性を小分子RNAが決めると発見し、性操作による害虫の遺伝的防除に道を開いた。
この記事は、2017年1月17日号からの転載です。本紙では、他にもオリジナルの記事を掲載しています。
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