「うそつきは誰だ」。知略を巡らし、うそつきを見抜く心理戦ゲーム「人狼」を楽しむサークルが、東大で発足した。その東京大学人狼研究会の活動に記者が参加した。
4月下旬の5限後の正門前。新歓で人があふれるなか、人狼研究会も集まっていた。
参加人数は40人ほど。集合後、10分ほど歩き目黒区の駒場住区センターに移動した。 人狼とは米国で開発された心理戦ゲーム。参加者は「人狼」と「村人」の二つに分かれる。人狼は互いが人狼と分かっているが、村人は誰が人狼か分からない。村人は話し合いを頼りに人狼と思われる人物を追放。人狼はうそをついて他の村人を欺き村人を襲撃する。
人狼では、人狼を見抜く「占い師」や人狼の襲撃から村人を守る「騎士」などの役割が与えられる。 勝つためには、話し合いで人狼側はうまく村人を欺くことが、村人側は自分が村人であることを説得しつつ人狼を見抜くことが大切だ。
住区センター到着後、約10人で一つの班を作り円形に座った。簡単な自己紹介をして、人狼を開始。すると2、3人がメモ帳を取り出した。話を聞くと「発言を記録して、人狼を見分ける参考にしたくて」。人狼経験済みの記者だったが、メモを取る人を見るのは初めて。 話し合いが始まると、メモを取っている人達が「占い師の人、手を挙げようか」「占い師の人は誰を占ったの?」「~だからAさんは人狼ではないよね」と間髪入れず意見を交換。記者は議論の様子を見守ることしかできなかった。さすが人狼研究会、恐るべし。
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人狼研究会は昨年の秋に発足した。法学部3年の元部長がもともと人狼好きで、友人を集め定期的に人狼をしていたことが始まりだ。
人狼には最低10人ほど人数が必要なため、人集めには力をかけたと元部長は語る。新歓では東大だけでなく五つ以上の大学を回った。その成果もあり部員は150人以上いるという。 人狼研究会の活動は人狼を楽しむだけでない。毎週木曜日に勉強会を開き、人狼の定石を見つけたり新たな役職を考案したりする。高校を訪問して人狼のルールを教えることもあるという。「人狼の楽しさを広めていきたいです」 「11月には人狼の大学日本一を決める大会を行う予定です」
関東近辺のさまざまな大学で予選を行い、最終会場で決勝を行う。優勝者・予選の勝者には豪華賞品が贈られる予定だという。ぜひ参加してみては。
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【サークル紹介】
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2014年5月27日発行号に掲載(所属などの情報は当時のものです)。
2015.11.27 取材元の希望に応じて、個人名を削除いたしました。