3月3日、国際司法裁判所(International Court of Justice, ICJ)において裁判所長選挙が行われ、東京大学名誉教授の岩澤雄司ICJ裁判官が選出された。日本からの所長の選出は、皇后さまの父で、外交官だった小和田恆氏(2009年~2012年)に続いて2人目。国際刑事裁判所の赤根智子所長とともに、国際司法に関わる主要な二つの機関で日本人がトップを務めることになる。

岩澤氏は、東大法学部卒業後、同助手を経て米ハーバード大学・米バージニア大学にてそれぞれ法学修士号・法学博士号を取得。国際法を専門とし、東大大学院総合文化研究科教授や法学政治学研究科教授を務めた。自由権規約人権委員会委員長などを経て、2018年6月に国際司法裁判所裁判官に就任していた。前所長のナワフ・サラーム氏がレバノン首相に就任し所長を辞任したことで選挙が行われた。
国際司法裁判所は、国際法に基づく裁判で国家間の紛争を平和的に解決することを任務として1945 年に設立された、国連の主要な司法機関。総会と安全保障理事会が個別に投票して選出する15人の独立・公平な裁判官から構成され、国家間の法的紛争を国際法に従い解決すること、国連機関や専門機関などに対し法律的問題についての勧告的意見を与えることを任務とする。その判決や勧告的意見には高い権威が認められている。