東大は10月3日、パスツール研究所の日本拠点の立ち上げに協力することを記した意向確認書(LOI)をパスツール研究所との間で調印した。
パスツール研究所は、日本における拠点として東大の協力の下「Institut Pasteur du Japon (IPJ)」を設立する。IPJ傘下の「Planetary Health Innovation Center(PHIC)」では、国際共同研究や大学院生の研修など国際連携の他、スタートアップ支援や産学連携の強化を目指し、両者が協働する予定だ。両者によるLOI署名式には駐日フランス大使も出席し、日仏間での保健分野での協力における今回の構想の重要性が強調された。
PHIC立ち上げの基盤となったプラネタリーヘルスは、人類の健康と地球環境の健全性は切り離せないとする考えを指し、東大からパスツール研究所に対し提唱された。世界に30を超える拠点を持つ同研究所にとっても、初めての試み。所長のコール氏は「これほどユニークな構想はない」と高評した。
パスツール研究所は、微生物・血清療法・生化学などの研究で知られるパリの研究機関。東大は、2006年以来国際学術交流協定に基づき、医科学研究所(医科研)とパスツール研究所との間でライフサイエンス分野での交流を進めてきた。