東京大学協創プラットフォーム開発株式会社(東大IPC)は4月19日、同社が昨年設立した投資ファンド「オープンイノベーション推進1号投資事業有限責任組合」(AOI1号ファンド)のファンドの運用額が240億円を突破したことを発表した。東大IPCは今回の増資により、20億円規模の大型投資も可能になるとしている。
今回増資したAOI1号ファンドは各業界の大手企業と連携した新会社設立や、既存企業の事業の一部を独立させた「カーブアウトベンチャー」などへの投資を目指す点に特徴がある。カーブアウトなどの投資方法の成功例は日本では少ないとされる。昨年の設立当初の運用額は約28億円で、今回新たにSBIグループ、ダイキン、日本政策投資銀行グループなどが出資者として加わったことで当初の約9倍の運用規模となった。
同時に、これまで東大と東大IPCが共催していた事業創出支援プログラム「東大IPC 1stRound」を筑波大学、東京医科歯科大学、東京工業大学の3校を加えた4校共催の「1stRound」に改組することも発表。今後はAOI1号ファンドの投資対象に東大以外の国立大学発のベンチャーも加える。
東大IPCは2016年に設立された東大の子会社。「イノベーションエコシステム」と呼ばれる起業に適した環境の整備によって、東大周辺で技術革新が継続的に行えるようにすることを目指し、東大発ベンチャーを育成・支援する投資ファンドを設立するなどしてきた。