人を笑わせ、考えさせた業績に対して贈られる賞「イグ・ノーベル賞」の授賞式が日本時間の9月15日にオンラインで開催された。「電気を流した箸やストローが飲食物の味をどのくらい変えることができるのか実験した」ことを理由として、東大の中村裕美特任准教授(東大情報学環)が宮下芳明教授(明治大学)とともに栄養学賞を受賞した。
受賞の対象となった論文は2011年に発表された『Augmented Gustation using Electricity』。この論文で中村特任准教授らは、舌を電流で直接刺激した際に酸味や金属的な味を感じる「電気味覚」と呼ばれる現象を応用。飲食物の味を増幅させる食器型刺激装置を紹介した。
中村特任准教授は受賞を受け、「電気刺激だけでなく、この食事の拡張技術に対する研究がHCI(ヒューマンコンピュータインタラクション)の分野で拡大することを願っています」と述べた。
イグ・ノーベル賞はノーベル賞のパロディとして1991年に設けられ、今年で日本人の受賞は17年連続となる。賞品として現在は貨幣価値のない10兆ジンバブエドルと、印刷して組み立てると紙製トロフィーになるPDFのデータが贈られた。