インタビュー

2014年3月18日

都知事選に出馬した家入さんインタビュー「選挙はすごく楽しかった!」

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―― 2014年2月の都知事選に家入さんは出馬されました。まず、どうでしたか?

家入 すごく楽しかったです。今回の僕の出馬に対しては、さまざまなご意見をいただきます。でも、「楽しかった」ということは、出てみた僕にだけ言えることですね。

―― 「楽しかった」ですか!

家入 ええ。若い人はもっと、「こんなふうに世の中をよくしたい」という思いをもって選挙にバンバン出馬して良いと思うんです。実際、都議や区議であれば25歳から出られますし、兼業もできるんですよ。ですから例えば、NPOやウェブデザイナーをやりながら政治家になる、なんてことも可能なのです。

つまり、いろんな顔を持つ、という生き方を選択する中で、その一つが「政治家」というのもありだと思っています。今後、バラエティに富んだ若い政治家が増えてくればおもしろいですよね。とはいえ選挙活動にはお金がかかりますから、そのときは、クラウドファンディングを使うとか、ネットを有効活用するなどして、選挙にかかるコストを下げる工夫をすれば良いわけです。

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―― 「選挙は起業と似ている」とおっしゃっていました。

家入 政治の世界は、長らくアップデートされてないんですよね。それに対してビジネスは、世界標準でどんどん変わっていきます。だからこの意味では、政治とビジネスは真逆の性質を持っているかもしれません。でも都知事選に出て体感したのは、選挙活動は、今まで自分が何回も手がけてきた起業とすごく似ているところがあるということです。事務所の場所を決めて、そこに人が集まってきて、いろいろなプロジェクトが立ち上がって、物事が進んでいく……という感じ。会社のスタートアップにそっくりです。例えば、TwitterやSquareを創業したアメリカの起業家、ジャック・ドーシーは、ニューヨーク市長を目指しているんですよ。

―― そうなんですか!

家入 そういうのは、僕からすると違和感がないんです。日本では、ビジネスマンが政治家になることは嫌われる風潮がありますよね。でも僕は、起業することと同じレベルに「政治家になる」、ということがあっても良いと思います。今回、こんな僕でも、出馬してみていろんなことができた。そういう意味では、選挙に出ることのハードルを下げられたな、と思っています。

―― よくある質問だとは思いますが、出馬のきっかけはなんだったのでしょう? Twitterで「1000RTで出馬する!」という試みをされていましたね。

家入 そうですねぇ。「1000RTされたら出馬する」なんて宣言したので、「受け狙いで出馬したんじゃないか」と批判されることもありました。でも僕は、人間の「きっかけ」なんてそんなものかな、と思っています。実は、出るかどうか、ギリギリまで悩んでいたんです。「1000RTされたら……」っていうのは照れ隠しみたいなものかも。でも、最後の最後に思ったのは、30代や40代の候補者がひとりも出ていない、ということです。このままでは、この都知事選に、僕自身が全く興味を持たずに終わってしまうな、と思いました。正直、僕は政治家には向いていない。しかし、今回の件で言うと、僕以外の30代~40代は手を挙げなかった。だから、出馬する意義は感じていました。

―― そうは言っても、最初に手を挙げる、というのはスゴく勇気の要ることですね。

家入 選挙に出るのは、(手続きとしては)すごく簡単ですよ。自分で選挙管理委員会に行って立候補の書類をもらったとき、「誰が出るんですか?」と、怪しまれましたが(笑)。普通は秘書の方とかが来るみたいですね。確かに出た後は、いろいろ言われたりするので大変な部分もありました。

―― 出るのは簡単だけど、出た後は大変だった、と?

家入 そうですね。でも、何か行動を起こすときには、必ず世間から賛否両論があるものです。だから周囲の意見は、僕に対する非難も含めて「熱量」だと思ってあまり気にしないようにしています。いろんなことを言う奴らは、「有り難い」存在です。僕に関心を向けてくれている、ということですよ。

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家入一真(いえいり・かずま)
元引きこもり/JASDAQに最年少社長として上場/連続起業家
1978年福岡生まれ。中学時代に引きこもり、登校拒否を経て中退。画家を目指し油絵を学ぶも親の事故などで断念。22歳でpaperboy&co.を起業。JASDAQ市場最年少で上場する。その後退任し、都内で多数のカフェを立ち上げる。40社ほどのスタートアップベンチャーへの投資を行いながら、クラウドファンディングCAMPFIREを共同創業。新しい働き方を提唱するチーム、Livertyを率いる。2014年2月の都知事選に立候補。インターネッ党を立ち上げる。
著書に「もっと自由に働きたい」「新装版 こんな僕でも社長になれた」など。

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