スケート部アイスホッケー部門は18日、筑波大学と決勝リーグ最終戦(秩父宮杯第69回関東大学アイスホッケー選手権大会Bグループ)を戦い、3―0で勝利。全勝で秩父宮杯を優勝した。昨年に続いての優勝で、秩父宮杯2連覇を果たした。(取材・安部道裕)
東大|201|3
筑波|000|0
昨春準優勝の筑波を寄せ付けず
勝てば確実に優勝が決まる大一番、第1ピリオド(P)から流れをつかんだのは東大だった。立ち上がりからチーム全体の動きが良く、試合開始直後から敵ゴールに迫っていくと、1分、こぼれたパックに43番・大森基信(工・4年)が反応。ミドルショットを沈め先制する。先制後も東大は攻撃の手を緩めない。9分にパワープレー(相手の反則による退場により1人多い状態で行う攻撃)のチャンスを得ると、上智戦で決勝点を決めたルーキー・澤邉祐志(文Ⅰ・1年)が追加点を奪い、2点をリードして第1Pを終えた。
第2Pも東大の勢いは止まらない。「『テンポの速いホッケー』をテーマに練習を重ねてきた」と主将の松井大弥(育・4年)が話すように、流れるようなパスワークで筑波を翻弄(ほんろう)していく。8分、11分には反則からパワープレーのピンチを迎えるが、人数の不利をものともしない東大攻撃陣は敵ゴールに14本ものショットを浴びせていった。しかし得点は奪えず、2点リードのまま最後の第3Pへ。
第3P、気持ちの高ぶりからか東大は多くの反則を犯してしまい、1人少ない状態でプレーをする時間が多くなった。試合時間残り5分では、反則が重なり2人少ない状態のピンチを迎えてしまう。この正念場でも「2人少ない状況を想定して練習してきた」と松井主将。4分にダメ押しの3点目を決めている東大は焦りなく対応し、相手のショットをたったの2本に抑えた。その後は筑波大に反撃の隙を全く与えず試合終了のブザー。秩父宮杯2連覇を成し遂げた。
・松井主将のコメント
優勝できて素直にホッとしています。新チームが始動した時に「三冠」を今年の大きな目標として掲げてチームの意識を高めてきたので、それが春大会の優勝に結び付いたのだと思います。チームの目標の「三冠」のまだ一つ目を取れただけなので、また優勝できるように頑張りたいと思います。
・コーチのコメント
昨秋は優勝できなかったので、そのリベンジを果たせて良かったです。春は新歓などもあってチームを作るのは難しいですが、パスワークや動きの連携など、チームとして一番仕上がっているのは東大だったと思います。それがきっちりできていたのは松井主将の手腕によるところかなと感じました。普段のチームの練習やコミュニケーションを大事にする姿勢が結果につながったと思います。反則を多く犯し、それが勝負に大きく関わる第3Pだったというのは、次の大会に向けてチームとして修正したい点です。秋は周りのチームも完成度を上げてくるので、今回優勝したことで慢心せずに、全員が活躍できるチームにしたいです。
【総評】
最優秀選手賞を受賞した松井と中村勇太(養・3年)を中心とした、超攻撃的なプレースタイルが功を奏した。最終戦の筑波戦では相手のショット数5に対し、東大は50と圧倒。駒澤戦、上智戦では反則が少なく、優位に試合を運ぶことができた。破壊的な攻撃力と丁寧なプレースタイルを武器に、秋大会の優勝、さらにはAグループへの昇格へ期待がかかる。
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