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2014年12月20日

1/10 東大「人間の安全保障」プログラム10周年シンポジウム

東京大学「人間の安全保障」プログラムが、1月10日に、設立10周年記念シンポジウムを開催する。シンポジウムでは、元国連難民高等弁務官・前JICA理事長の緒方貞子さんも挨拶を行う予定。「人間の安全保障」をテーマに研究や実践活動を行って来た人たちが、「国家が人々の安全を守ることができない時、どう人々の命と尊厳を守っていくのか」について、活発な議論を行う。

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国境を超えた問題が世界中にあふれている。中東やアフリカでの終わらない紛争、世界的な格差拡大のなかで広がる貧困、エボラ出血熱など一つの国ではとうてい太刀打ちできない感染症。人間の生を脅かすこれらの問題に対して、国家だけでは解決できない問題が世界中に広がっている。

このような問題を、国際関係論や地域研究、経済学、文化人類学といった多彩な学問領域から取り組もうと試みる大学院が、東大にはある。

「人間の安全保障」プログラム(HSP)と呼ばれるこのコースは、近年注目されている「人間の安全保障」をテーマとし、一人一人の人間が安心して生活できる社会をつくるために、自ら実践的に関わっていく人材を育てている。

「人間の安全保障」プログラムは、一つ一つの研究分野を超えた試みであり、また大学という研究組織の内側にとどまらないことを目標としたプログラムである。一つの学問的な手法にこだわらず、国際関係論や、地域研究、経済学、文化人類学、言語学、人文地理、政治学、社会学など、多彩な学問領域を専門とする教員が参加して、教育や研究を行ってきた。

また、大学や研究者のみでなく、政府や企業、NGOなど多彩な主体の結び目となり、共に世界の問題を考え発信していくことを目標としている。学生も教員も、問題を抱えている現場へのこだわりを強く持っており、修士・博士を問わず、殆どの学生が世界中の現場で現地調査を行って論文を作成している。

2011年の東日本大震災がおきてからは、多くの学生がボランテイアで東北を訪れ、教員もそれぞれ現地に足を運んで、実態をその目でみ、地域の人たちと一緒になって復興に努めてきた。

なかには、学生と教員が一体となって、NPOを立ち上げ、東北の支援に携わりながら、研究と実践を統合する試みも見られる。(「人間の安全保障」フォーラム)国外で培った経験を、国内の問題の解決にも活かしていくということも、「人間の安全保障」プログラムの大きな特徴であり、今回のシンポジウムのテーマもそこにある。

シンポジウムは、「平和構築と被災地支援をつなぐもの」と「東日本大震災が「人間の安全保障」プログラムに問いかけたもの」という二つのテーマで議論が行われる。「人間の安全保障」プログラムが取り組んできた、世界の紛争地域における平和の定着を目指す調査・研究と、東日本大震災後の被災地支援を通じた人間の安全保障の促進という二つのトピックが、どのような繋がりをもっているのかが語られる。

1月10日(土)の13:00から17:30まで、駒場キャンパスの18号館ホールで行われる。事前登録は不要だ。シンポジウムの詳細についてはこちら(リンク)。

(15:30までという記載になっていたのを17:30に訂正いたしました)

文責 須田英太郎

取材協力 丸山真人教授(「人間の安全保障」プログラム)、東大作准教授(「人間の安全保障」プログラム)

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