物性研究所は1日、学外の学術機関などから回収したヘリウムガスを研究所内の低音液化室に設置されている装置で液化し、再提供する事業を開始した。ヘリウムはその安定性、熱冷却性能の高さゆえに多くの基礎研究や製品の製造過程で用いられる。
しかし、主要な輸入元であるアメリカの国外販売終了や中東の情勢不安、産業界での需要の拡大などにより、ヘリウムの産出がない日本への輸入量が大幅に減少し、学術機関への影響が出ていた。今回の事業はこれらの現状を受け、これまで柏キャンパス内で行ってきたヘリウムの再液化事業を学外へ拡大したもの。海外情勢に左右されない安定したヘリウム供給の実現が期待される。