汪雪婷特任研究員(情報理工学系研究科)らはサイバー・バズ社と共同で、SNS上で画像や映像の閲覧数などの人気を高めるハッシュタグ推薦技術、UFP-Rankを開発した。実証実験では通常の2.8倍の閲覧数を獲得。成果は21日から開催される国際計算機学会(ACM)の国際会議などで発表予定。
SNSでは閲覧数やコメント数などが人気の指標とされ、SNSを用いた宣伝の際に重要となる。ユーザーはテキスト検索でコンテンツを探す場合が多く、コンテンツに適切なタグを付けることが閲覧数の上昇に欠かせない。しかし、従来のタグランキングや推薦システムは客観的に正しいタグを付けることに注力しており、閲覧数の向上を主眼に置いたものはなかった。
汪特任研究員らは2017年にコンテンツの人気度とタグの関連性を考慮して人気度を向上させるタグ推薦技術、FP-Rankを開発していた。今回はタグとコンテンツの人気度の関係や、タグとユーザーの人気度の関係をグラフなどで表現。使用するタグ数と使用頻度、タグ同士の関連性を考慮して、各タグの人気度への影響を数値化・ランキング化した。画像や映像などのコンテンツ内容に関連度が高く、人気のあるユーザーをまねしたタグを推薦できるようになる。
実証実験ではSNSから取得した約6万枚の画像を学習させ、推薦されたタグを付与してSNSに投稿。投稿後10日目に、一般的なAI技術でタグを付与した投稿に比べて2.8倍、FP-Rankでタグを付与した投稿に比べて1.2倍の閲覧数を獲得した。
この記事は2019年10月22日号から転載したものです。本紙では他にもオリジナルの記事を公開しています。
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