ニュース

2015年7月16日

春の東大スポーツを振り返る(前編)

 春のシーズンを終えた運動部。硬式野球部(東京六大学野球)が連敗を94で止めて4年半ぶりにリーグ戦勝利を挙げると、アメリカンフットボール部(関東学生1部リーグ)も10年ぶりに京都大学に勝利した。他にも女子ホッケー部の1部リーグ昇格など、多くのスポーツで活躍が見られた今春を振り返ろう。


◇硬式野球部

 春季リーグ第5節の法政大学戦でリーグ戦4年半ぶりの勝利を挙げた硬式野球部。4日に行われた京大戦では、12得点で勝利するなど追い風に乗っている。秋季リーグでは02年以来の勝ち点奪取にも期待したい。

写真1(硬式野球部).JPG法大戦1回戦の十回表、内野ゴロの間に勝ち越しそのまま逃げ切った=5月23日

 昨年の秋季リーグで2本塁打を放った有井祐人選手らの卒業で打撃力不足が懸念となった今春。リーグ戦開幕前、主務の坂東秀憲さん(医・4年)は「昨年ほど打撃力がなく、どうつなぐかが重要だ」と語っていた。一方で150キロ近い速球を持つ山本俊投手(工・3年)らが成長を見せ、守り勝つ野球が目指された。

 開幕直後は懸念が的中。明治大学との1回戦では、投手陣が相手打線を2点に抑えるも、打線が振るわず完封負けした。第2節の早稲田大学戦の1回戦では一時逆転したが、終盤に投手陣が打たれ敗北。第3節までの6試合で計4得点、完封負け4試合と苦しんだ。

 しかし第4節の立教大学戦で打線が奮起。1回戦は初回に4点を先制される苦しい展開ながら、三回に主将の飯田裕太選手(農・4年)、七回に楠田創選手(理Ⅱ・2年)が共に2点適時打を放って4点を奪う。投手陣も四回以降は無失点に抑え、勝利に迫った。

 そして迎えた第5節、法大との1回戦。先発の山本俊投手が四回までを1失点に抑えると、五回に法大のバッテリーミスもあり逆転。七回に宮台康平投手(文Ⅰ・2年)が3点を失うも、八回に楠田選手の犠飛、山田大成選手(文Ⅲ・2年)の適時三塁打で同点に追い付く。延長十回に1死二三塁の好機を作ると、2者連続の野手選択で2点を勝ち越し。八回から登板していた柴田投手がその裏を無失点で切り抜け、東大は悲願の白星を挙げた。

 今春目立ったのは2年生の活躍だ。開幕から4番に座った楠田選手が6打点を挙げ、山田選手もリーグ戦初本塁打を放った。法大戦で勝利投手となった柴田投手、14年秋季リーグから登板している宮台投手らの力投も見応えがあった。

 4日の京大戦では、初回に4得点を奪うなど計12得点。継投で相手を0点に抑え、4年ぶりの京大戦勝利を挙げた。中でも五回から登板した山本俊投手は、4回無安打の快投を見せた。

 秋季リーグでは、2年生の活躍はもちろん、上級生の奮起も期待される。特に投手陣は速球派や下手投げなどさまざまなタイプの選手が力を付けており、02年秋季リーグ以来の勝ち点奪取にも期待がかかる。

●硬式野球部への取材と回答

―春季リーグ戦を振り返って

浜田一志監督(以下浜田):94連敗という長いトンネルを抜けられて良かったです。ようやくスタートラインに立てた気がします。

飯田裕太主将(以下飯田):まず一つ勝てて良かったです。ただ、勝ち点を取り切れなかった。勝てる試合が他に数試合あったし、勝ち切れなかったところに課題が残っていると思います。

―勝因は

浜田:投手力を含めた守りの安定感です。これに尽きます。

飯田:投手が安定して失点を計算できるようになったことと、決勝点の場面がそうですが、1死三塁からゴロで点が取れたこと。得点に結びつく、有効な打球を打つことができた、狙い通りの野球です。

―一つ勝ったことでチームの雰囲気に変化は

浜田:大きく違いますね。基礎をしっかりやれば結果は出るんだということで、練習の集中力にも変化が見られるようになりました。

飯田:これまで守備重視でやってきて、ロースコアになればうちの野球ができるということを再認識できたし、しっかり接戦に持ち込むという意識が強まりました。

―秋季リーグ戦の展望

浜田:トンネルを抜けて雪国をさまよいたくないので、勝ち点を取って、温まりたいと思っております。

飯田:勝ち点を取るために練習しているので、しっかりどの試合も接戦をして勝ち点に結び付けたいと思います。

中編に続く(アメフト部、10年ぶりに京大下す)

(文・竹内暉英、撮影・古川夏輝)

この記事は、2015年7月14日号からの転載です。本紙では、他にもオリジナルの記事を掲載しています。

2724_7_14pop-01.png

タグから記事を検索


東京大学新聞社からのお知らせ


recruit

   
           
                             
TOPに戻る