明けましておめでとうございます。旧年中は本紙をご購読いただき、誠にありがとうございました。
2020年の東大は新型コロナウイルス感染症に翻弄された1年となりました。キャンパスでの活動が許されぬまま新学期が始まり、隣に誰もいないオンライン授業、経済活動の縮小に伴う困窮など多くの学生が未曽有の困難に見舞われました。大学側も同様で、刻一刻と変わる情勢に振り回され、文字通り走りながらの意思決定や作業を強いられました。一方、この経験で得られた知見を生かし「アフターコロナ」を見据えた動きも始まっています。流行前の姿に戻るのはもはや後退であり、大学はすでに急激な変革期に突入しています。
大学のガバナンスも同様に変革期にあります。昨年は東大をはじめ複数の国立大学で総長・学長選考に伴う混乱が生じました。東大構成員がもう一度同じ方向を向き、今年4月に就任予定の藤井輝夫新総長の下、全ての構成員の声が尊重される大学づくりや東大が抱える諸問題の解決を目指すことが求められます。
東大が大きく変わる今だからこそ、我々は東大ステークホルダーに議論の土台を提供し、東大の変革を促すジャーナリズムを展開することを目指します。読者の皆さまにおかれましては、今年も変わらぬご愛顧を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
2021年元旦
週刊『東京大学新聞』編集長 中野快紀(文Ⅲ・2年)