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2023年5月8日

【寄稿】東大卒 博報堂コンサルティング・杉原拡斗さんが語る「“個人の視点”を大切に、深く考え抜く仕事」

 

 就活では多くの企業を見た上で進路を選択することが重要だ。しかし多種多様な業界の仕事について話を聞く機会はそう多くない。そこで東大文学部を卒業し、現在は博報堂コンサルティングに勤める杉原拡斗さんに現在の職務や学生時代の経験について聞いた。会社や職業の実態だけでなく、キャリアプランを考える上で参考になる情報をお届けする。(寄稿=博報堂コンサルティング、写真は全て博報堂コンサルティング提供)

 

<杉原拡斗(すぎはら・ひろと)さんプロフィール>

 東京大学文学部卒。新卒で博報堂コンサルティングに入社後、B2B、B2C問わず様々なクライアントのブランディング・マーケティングプロジェクトに従事。大学在学時は銀杏メトロ食堂の定食がお気に入りで、暇を見つけては食堂でお茶を飲んでいた。

 

考え抜くことが価値につながる仕事

 

──まず、博報堂コンサルティング(以下、HCI)でのこれまでの仕事と、醍醐味(だいごみ)を感じた瞬間を教えてください

 

 2019年に新卒入社し、ブランドコンセプト策定やデジタルマーケティング、インナーブランディング等のプロジェクトに関わってきました。はじめて仕事の醍醐味を体感したのは、とある大手国内家電メーカーのブランド刷新プロジェクトでのことです。今日では「大手」「国内ブランド」だけでは戦略ターゲットである若年層からの関心を得られず、おしゃれで先進的な新興メーカーがシェアを奪っていく傾向にあります。そこで家電の価値を“使う人の目線”で再定義し、プロモーション活動を大きく変えようと検討を進めていました。このプロジェクトでは、クライアントやチームメンバーと何度も議論し、さらに自分の中でも思考を深めて導き出した家電コンセプトが上司に認められ、最終アウトプットに採用されました。この時に、自分が”考える”ことを通じて世の中に貢献できるという実感を持ち、非常に感慨深かったことを記憶しています。

 

──なるほど、それは面白いですね。杉原さんは入社から現在に至るまで様々なプロジェクトを経験していますが、仕事をする上で大切にしていることはありますか

 

 自分の感覚や考えを信じることです。若手のうちは自分より経験のある上司や、業界知識を有するクライアントと議論することになります。それでも、誰よりも生活者や当事者であるクライアントの目線に立って調べ、考え抜くと、自分の考えが最も的を射ているという状況は案外起こりえます。上司の答えやクライアントの期待に迎合するのではなく、深く考え抜き、クライアントや社会への貢献につなげることを大切にしています。

 

 

論理の研究から論理を武器に戦うコンサルタントへ

 

──学生時代にさかのぼり、当時取り組んでいたことを教えてください

 

 課外活動として、軽音サークルに所属しつつ、よくブルースバーでギターを演奏していました。また、3ヵ月間カナダに留学するなど様々なことに取り組んでいました。学業面では、高校時代から関心があった哲学を学ぶため、文学部思想文化学科哲学専攻(当時)を選びました。大学4年次には大学院生と一緒に近代英米哲学を研究するゼミに所属して、「因果論」の研究や記号論理学に没頭していました。

 

──「因果論」を初心者にわかりやすく説明すると、どのような内容ですか

 

 一つは物事の関係性をロジカルに追究することです。現実社会で例えると、「社会的な背景を含む事件・事故が起きた際に、当人だけの責任として捉えず、本当の責任は誰にあるのか」といった因果関係を突き詰めて考察すること、と言えると思います。

 

──その中でHCIの仕事に活かされていることはあるのでしょうか

 

 ゼミで身に付けた、物事の因果関係をつかむ力や、概念を深くまで掘り下げる力は仕事でも活かされています。例えば、ブランドコンセプトをつくるというプロジェクトがあったときに、その目的が「従業員にとっての共通認識をつくること」なのか、それとも「購買者に訴えるべき魅力を特定すること」なのかでやるべきことは大きく変わります。単に「コンセプトをつくる」というように表層的に捉えるのではなく、一段踏み込んで考える力が役立っています。

 

 

「個」を活かして仕事ができる環境

 

──学生時代に様々な経験をした中で、HCIへ興味を抱き、入社に至った経緯を教えてください

 

 大きな志向として、ビジネスの世界に入ることで世の中を支えたいと思っており、中でも汎用的なスキルを身に付けられそうなコンサルティングファームを志望していました。また、ロジックだけでなくクリエイティビティも活かすような仕事や、生活者と向き合うマーケティングにも関心があったことからHCIに興味を持ちました。インターンシップに参加し、仕事の面白さと会社へのフィットを実感したため、入社を決めました。

 

──実際にHCIに入社して、いかがでしょうか

 

 業務面では、学生時代に培った経験や個人の視点がそのまま活かせる点が魅力だと感じています。もちろんコンサルティングファームである以上、論理的思考力などは一定の水準に高める必要はあります。ただ、コストカットのように正解が収束しやすいテーマではなく、企業のトップライン(売上高)を伸ばすために独自性や創造性のあるアウトプットを求められるテーマがほとんどであるため、個人の視点も大切にされています。

 

 社風面では過度に周囲に染まる必要がない点が気に入っています。これは、自分の好きなことを大切にしている人が多く、お互いの価値観を尊重する文化があることに起因しています。自然体で仕事ができ、非常に居心地が良いです。経営陣との距離が近い点も特徴です。近年は社員がやりたいことを経営陣がサポートする文化になりつつあり、伸び伸びと働ける環境だと思います。

 

 

人の意見に振り回されず、自分の「尺度」を大切に

 

──最後に就活中・就活を控えている学生の方へメッセージをお願いします

 

 学生の方にはぜひ自分の尺度を大切にしてほしいです。世の中には「新卒では大企業に入るべきだ」「個の力が大事にされる時代だからベンチャーで力をつけるべきだ」といった様々な尺度がありますが、それを呑み(うのみ)にするのはもったいないです。世の中の尺度に頼りたくなることも多いと思いますが、就職活動は自分の人生を大きく方向づける活動なので、皆さん自身の考えや感覚を中心においてはいかがでしょうか。これまでの20年あまりの人生経験を振り返ると、自分なりの尺度がきっと見つかるはずですので、それを大切にしてほしいなと思います。

 

企業概要

博報堂コンサルティングはブランディング、マーケティングに特化し、博報堂グループの中で主にクライアントビジネスの上流領域を担当するコンサルティングファームです。博報堂が培ってきた生活者発想とコンサルティングファームが持つ経営戦略のノウハウを融合させ、顧客心理を動かし、既存の枠組みを超える新たな戦略をクライアントに提供し続けています。2025卒 夏インターンを実施予定です。興味を持たれた方は以下をご覧ください。

http://recruit.hakuhodo-consulting.co.jp/

 

【タイアップ記事】

【記事更新】2023年4月27日15時11分、ページ最後の「現在、2024年卒 新卒採用を実施しております。興味を持たれた方は以下よりエントリーください。」という箇所を「2025卒 夏インターンを実施予定です。興味を持たれた方は以下をご覧ください。」と変更しました。

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