スポーツニュース

2020年1月16日

箱根駅伝 阿部選手10区を駆ける「悔しいが未練ない」

ゴール直前の阿部選手=3日、読売新聞本社前で(撮影・中井健太)

 

 第96回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)が2、3日に開かれ、陸上運動部の阿部飛雄馬選手(育・4年)が関東学生連合チームの最終第10区(23.0キロ)に出走した。記録は、区間21位相当の1時間15分26秒。連合チームの主将としてゴールまで襷(たすき)をつなぎ切り、チーム記録は11時間12分34秒の総合19位相当だった。連合チームはオープン参加のため、参考記録として扱われる。

 

 9区の渡邊晶紀選手(山梨学院大学・2年)から16位相当で襷を受け取った阿部選手。走り出しは5kmで15分30秒と予定通りだったものの「当日にピークを持ってこれず、絶好調だった予選会当時と比べて体が全く動いてくれなかった」。15~20km地点間の5kmは16分40秒近くまで落ち込み、何度も後方の選手に抜かれたが、付いていけるだけの余裕は残っていなかった。

 

 阿部選手は「見ている人に、強豪校でなくても箱根駅伝に出られるという夢を与えたかった。それが達成できたかは分からないが、少しでも既存の『常識』に風穴を開け、新たなチャレンジをする人を勇気付けられていたらうれしい」と話す。「悔しいが、未練は全くない。マラソンで一流選手と肩を並べられるよう、悔しさを忘れず、次の夢に突き進んでいきたい」

 東大生が箱根駅伝に登場するのは、東大として出場した第60回大会(1984年)、松本翔選手が関東学連選抜チーム(当時)の8区を走った第81回大会(2005年)、近藤秀一選手(総合文化・修士1年)が連合チームの1区を走った第95回大会(19年)に続く2年連続4度目。ほか、東京農工大学の前身に当たる東京帝国大学農学部実科が第3回(1922年)~第7回(26年)大会の計5回出場している。


この記事は2020年1月14日号から転載したものです。本紙では他にもオリジナルの記事を公開しています。

ニュース:東大の足元は今③学生寮 教育の場としての学生寮を デジタル化時代の大学教育の在り方とは
ニュース:阿部選手10区を駆ける 箱根駅伝 「悔しいが未練ない」
ニュース:教養学部学部交渉 食事環境の整備など6項目を要求
ニュース:理学系・西増准教授が受賞へ 日本学術振興会賞 生研・野村准教授も
ニュース:流体中の微小粒子を安価簡便に自動測定
ニュース:遺伝子発現の制御に茶カテキンが関係
ニュース:七大戦 東大は最下位発進 アイスホッケー欠場響く
企画:国境越えた中国茶の世界 歴史や味わい方をのぞき見
WHO,ROBOT:第3回 ロボット通じ学生の挑戦促す 「ヒト型ロボット」研究開発の意義とは
教員の振り返る東大生活:インド哲学仏教学研究室 蓑輪顕量教授(人文社会系研究科)
研究室散歩:@情報熱力学 沙川貴大准教授(工学系研究科)
青春の一冊:畑村洋太郎編著『実際の設計 機械設計の考え方と方法』 高橋宏和准教授(情報理工学系研究科)
キャンパスガイ:堀井崇史さん(理Ⅰ・2年)

※新聞の購読については、こちらのページへどうぞ。

タグから記事を検索


東京大学新聞社からのお知らせ


recruit

   
           
                             
TOPに戻る