東京大学新聞社主催のプログラミングイベント「東大ガールズハッカソン2022」の幕開けとして、9月6日にアイデアソンが開催された。今回はその模様をお伝えする。(取材・石橋咲)
初対面とは思えぬ積極的なアイデア出し
東大の女子学生を対象とした、プログラミングを学びコンテスト形式でアプリを作るイベントである「東大ガールズハッカソン2022」。チームごとにアイデア出しを行ってどのようなアプリを開発するか決める「アイデアソン」を開催した。
今年も感染拡大を受けオンラインでの開催となった。参加した13人の学生・大学院生はZoom上で集合。東京大学新聞社の担当者が開会を宣言し、ハッカソンのテーマを発表した。今年のテーマは「つなぐ」。新型コロナウイルス感染症で私たちを取り巻く「つながり」の形は変化した。無数のつながりを今一度考え直し、アプリという作品として自由に表現してもらいたい趣旨だ。
その後3チームに分かれグループワークを開始。自己紹介後、それぞれの共通点などからチーム名を決めた。
アイデア出しでは、オンラインツールMiroのホワイトボード機能やGoogle Slidesの共同編集機能を用い、アイデアの整理を行った。まずメンバーがそれぞれ思い付いた単語を次々と書き出した。単語を基に、アイデアをメンバー同士で紹介し合い、大きな方向性を決める。アイデアは多種多様だったが、技術的な面も踏まえ、アプリにしたときに面白くなりそうなものを選んでいく。並行して、アプリのサービスごとの6W2H(いつ、どこで、誰が、誰に、何を、なぜ、どのように、いくらで)を表にまとめ、アイデアを固めていった。各チームごとに協賛企業からメンターが1〜2人付き、アイデア・技術の両面でサポートした。
2時間30分にわたるアイデア出しの後、再びメインルームに集合。各チームで作成したGoogle Slidesを画面共有しながらそれぞれのアイデアをプレゼンする発表会を行った。
9月15、16日に開催されたハッカソンでは、今回出し合ったアイデアを基に、実際にプログラムを組んでアプリを開発した(詳細は後日公開)。
アイデアソンでの各チームの発表
チーム1(チーム名:白い壁)は、映画やドラマ、本などが好きなメンバーが多かったことから、それらのコンテンツを好きな人が、同じ趣味の人とつながることに特化したアプリを考案。ユーザーが作品ごとに口コミを書いたり点数をつけたりすることで、作品への評価の値が近いユーザー同士がマッチングできるような仕組みにしたいと発表。Twitterなどの既存のアプリとの差別化を意識した。
チーム2(チーム名:猫カフェ行きたい×3)はコミュニケーションをサポートするアプリを考案。初対面時のユーザーが用意された無数の項目から選んで自己紹介を作り、他のユーザーと通信すると、共通点を洗い出したり相手への質問内容を提案したりする。既存のSNSアプリのように時間的な拘束があったり承認欲求を満たしたりするものではなく、あくまで対面のコミュニケーションを手助けするものだと説明した。
チーム3(チーム名:さんじゅういち)は、思い付いたアイデアや日常でのちょっとした困りごとを東大生同士で共有・相談できるプラットフォームとして機能するアプリを考案。投稿をするとそれに応じられるユーザーとつながることができる。例えば「デザイン」や「コーディング」などといったタグを用いることで、仮想空間上で視覚的に関連性の強い投稿を見つけることも可能だと説明した。
参加者の感想
・初対面の人とどんなアイデアがあるのかじっくり考えることができて楽しかったです。メンターの方からこれから実際にどのようにコードを書いていけばいいのか、この機能を実装するには何が必要なのかといった詳しい話も聞くことができ、ハッカソン当日がさらに楽しみになりました。
・最初からアイデアがどんどん出て、それらが自分では思い付かない視点で広がりました。開発するにあたり不安も結構あるのですが、実際にアプリができたらすごく楽しいだろうと思っています。