受験

2021年9月17日

目指せ逆転合格!②進学校出身でも11月D判定、から「逆転現役合格」できた理由

 

 東大の2次試験本番まで残り半年を切った。入試本番が迫る中で、思うように成績が上がらず、不安を感じている受験生も多いのではないだろうか。しかし、そのような状況でもあきらめずに努力を続け「逆転合格」を勝ち取った東大生は少なくない。後編の今回は、高2の冬に受験勉強を始め、進学校出身ながら11月の東大型模試でD判定を取ったが、東大に現役合格したSさん(理Ⅱ・2年)に取材し「逆転合格」できた理由に迫った。(取材・伊藤凜花)

 

前編はこちら

 

 

 

意思を貫き受験

 

 最初は日本最難関の大学であることへの憧れや上京したさからなんとなく東大を目指していました。高2、高3と受験が現実的になっていく中、親には成績面や安全面から地元の大学を強く薦められましたが、いつしか東大からの志望校の変更は「妥協」だと思うようになり「絶対に東大に行こう」という意思が固まりました。

 

 部活を引退し受験勉強を始めた高2の12月ごろの成績は、定期試験の校内順位が理系(地理選択)で85人中20位ほど、全国模試の偏差値が60前後でした。翌年1月からは予備校に通いました。苦手意識のあった物理と何をすべきか分からなかった英語の講座を受講し、その他の数学と化学は学校の課題や問題集を用いて自分で問題演習を行いました。問題集は高3の夏には1周し、出来なかった問題について2、3周目を行いました。次々と新しい問題集に手を出すより、同じものを繰り返す方が知識が身に付く感じがしておすすめです。過去問は、周りに促されるようにして夏休みが終わる9月ごろから徐々に始めました。

 

 東大型の模試は学校で受験が決まっていて、夏に3回、秋に3回、直前期に1回受験しました。結果はほとんどD、E判定でした。夏は「そんなものだろう」と楽観的に捉えていましたが、冬は夏より成績が落ちた感じがして「あと3カ月で厳しいかもしれない」と落ち込みました。それでもやるべきことをただやるのに変わりはなく、結果を受けて勉強法を変えたり、模試の結果がメンタルにひどく影響したりすることはなかったです。

 

 センター試験(現共通テスト)対策は、2次試験対策にもなると考え、高3の11月後半から当日まで、集中的に行いました。センター形式の問題をたくさん解き、冬休みには予備校の対策講座も受講しました。その成果が出て本番では自己ベストを叩き出し、2次試験に向け、模試で失っていた自信を少し回復できました。センター試験後は予備校の直前講習も含めて過去問に取り組み、本番に臨みました。おおむね練習通り解けましたが、数学は難しく、帰ってきたホテルでTwitterを開き、衝動的に「難しかった」という意見のツイートを探して心を落ち着かせました。実力を出しきれた感覚はあったものの、合格する自信は40%くらいでした。合否のことは意識しないようにと思いつつも、不安から毎晩ネット掲示板の合格最低点予想を見て発表を待ちました。合格が分かったときは信じられず、とにかくうれしかったのを覚えています。

 

模試の判定はただの指標

 

 進学校にいながら私の受験勉強は決して順風満帆ではありませんでした。そんな中私が「逆転合格」できたのは「東大を受ける」という意思を曲げずに持ち続けたからです。模試の結果などで落ち込むこともあるかもしれませんが、自分を信じて頑張ればおのずと道は開けるはずです。

 

 勉強面は、学校の指導もあり早くから対策できた他には、問題演習の際に難しすぎる問題には手を出さずに基礎を徹底したのが、東大入試に合っていて合格につながったのだと思います。特に物理は、力学分野に力を入れて勉強し、11月の模試と比べて力学分野で解ける問題が増えました。英語も11月から大きく点数が上昇しましたが、これは過去問演習を通じて自分に合った解き方や解答順を見つけられたことが大きかったと思います。

 

 模試の判定はただの指標でしかありません。苦しいときも、自分を信じて諦めずに頑張ってください。

 

Sさん(理Ⅱ・2年)白陵高等学校出身

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