東大は11月25日、2050年までに温室効果ガス排出量実質ゼロを達成するための行動計画「UTokyo Climate Action (CA)」を策定したと発表した。国内大学として初めてScope3基準に沿って温室効果ガス排出量を算定し、Scopeごとに2030年、40年、50年までの削減目標を設定している。
Scope3基準は、温室効果ガス排出量の算出基準。サプライチェーン全体の排出量を直接排出量(Scope1)、間接排出量(Scope2)、その他の間接排出量(Scope3)に分類する。
UTokyo CAで定められた当座の目標は、30年度までに温室効果ガス排出量をScope1、2では50%、Scope3では25%削減すること(13年度比)。具体的な対策として、キャンパスの建物の省エネルギー化やエネルギー管理体制の強化を行う。敷地内外での再生可能エネルギーの生産拡大や脱炭素に関わるクレジットの利用、調達先・調達物、廃棄物処理法の見直しが検討されている。教育と研究を妨げない範囲でCAを策定していくことを前提とした。
昨年9月に公表された東京大学の行動指針「UTokyo Compass」では「Green Transformation (GX)」が行動計画の柱の一つに位置付けられている。UTokyo CAの策定は50年までの温室効果ガス排出量実質ゼロへの道筋の可視化と具現化を目的としたGX推進の一環。東大は今後、年1回以上UTokyo CAの更新を行っていくとしている。