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2023年4月1日

2022年度卒業式・学位記授与式 マスクは個人の判断

 2022年度東京大学学位記授与式が3月23日に、卒業式が24日に挙行された。政府の方針を受け、卒業生のマスク着用は個人の判断に委ねられた。参加ができない人や修了者・卒業者の家族向けに、インターネットでライブ配信された。

 

任意となったマスク着用。マスクなしで出席する人も

 

 卒業式の告辞で藤井輝夫総長は「距離を縮めるかに思えた遠隔技術の機能が、かえって私たちの知覚を平板化し、現実の身体経験から遠ざけているという逆説がここにはあります」と述べ、一方で最先端技術のメタバースはリアリティとは何かを問い直し、能動的な身体感覚と対話に満たされた空間を生み出していると指摘。その上で身体などの物理的実体に基盤を置く言葉の大切さを説き「他者と問いを共有し、対話を通じて未知の課題に対処していく力は、よりよい未来社会を創り上げていくうえで、不可欠です」と語った。

 

 卒業生答辞は、小林瑞樹さん(薬・卒)と菅田利佳さん(育・卒)が述べた。小林さんはコロナ禍でオンラインに移行する中で、希薄になった人との関わりの重要性に気が付いたと回顧。「幼い頃から点字を使用して学習をし、高校から普通の学校に進学したことを機に学ぶことのすばらしさを実感した」という菅田さんは、国際教育協力における音楽表現に関する研究や、芸術文化の力で若者と国連を結ぶ活動に取り組んだ経験から、目立ちにくい支えに感謝し、聞こえにくい声に耳を傾け手を差し伸べる姿勢を大切にしていくと誓った。

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