5月18、19日に開催された第97回五月祭。会場となった本郷・弥生キャンパスは約15万人の来場者でにぎわった(五月祭常任委員会発表)。今年のテーマ「しずく融け合う、水模様」は、人々が出会い日常から離れたひと時を共に描き出すようなお祭りの和やかさをほうふつとさせる。それぞれの企画の思いとともに、当日の様子を写真で振り返る。(取材・吉野祥生、戸畑祐貴、平井蒼冴、丹羽美貴、山本桃歌 構成・岡拓杜)
お菓子
文Ⅰ・Ⅱ類25組の1年が提供したのは、生地から手作りのベビーカステラ。中はふわっとしているが、外側はカリッと香ばしく焼きあがっている。トッピングの種類が豊富で選び放題であるのがうれしい。印象的なのは店の横に設置された凱旋門を模したモニュメント。「駒場Ⅰキャンパスで製作し、学生が徒歩で本郷キャンパスへ持ってきました。赤門の目の前という好立地で、多くのお客さんに入ってもらえています」
文Ⅲ14組の1年が出店する「ごま団子、食べChina☆」では揚げたてのごま団子を販売した。クラスの有志20名以上が参加する試食会を行い、提供する3種の味(プレーン、きなこ、抹茶黒蜜)を決めたという。「初日、2日目ともに予想していた以上に買っていただき、売り切れが続きました。お客さんに美味しかったと言ってもらえたことが一番嬉しかったです」
軽食
文Ⅰ・Ⅱ27組1年は「Unique Croffle (UNICRO)」と題し、クロワッサンの生地で焼いたワッフルであるクロッフルを出店した。この出店を通してクラスの仲をより深めることを狙ったという。何度も試作会を行い、生地の焼き方からトッピングまで試行錯誤を重ねて作った絶品クロッフルが自慢だ。五月祭当日では好評を博し、しばしば行列ができたそうだ。
カルチャー
魔改造研究会は身近な玩具や家電を改造したマシンを作るサークルだ。サークル創設後初めての五月祭企画となった今回の展示会ではNHK番組『魔改造の夜』の放送で大きな話題を呼んだマシンが勢揃い。中でもトースターを改造し、パンを高く垂直に飛ばす「投星」は回り続ける長い腕が大迫力だ。センサーでアームの位置を感知しパンを離して飛ばすが、そのタイミングの調整に苦戦したという。想像を上回るにぎわいを受け、今後は学外での展示会にも挑戦したいと意気込む。
飲料
文Ⅲ11組の1年が提供したのは、スライスレモンがのった本格派のレモネード。よく冷えた1杯は、当日が暑かったこともありすぐに完売した。「見た目と味で楽しめるように、レモン、ブルーハワイ、ベリーの3種類のフレーバーを用意しました。工夫した点はプラスチックコップを採用して色鮮やかな中身が見えるようにしたことです。クラスが一つにまとまれたことで、最後までうまくいきました。クラスのみんなには感謝しかありません。」
学術
工学部航空宇宙工学科の企画「宙人」では、企業・研究室が制作した展示や研究紹介が行われた。航空宇宙工学科の本澤さんは「色々なところで航空宇宙に興味を持ってくれる人がいるのだなと感じている」と話す。寺本・赤嶺研究室、岡本研究室では、流体の密度を可視化する展示や、流体を物に当てた時の圧力のシミュレーションを行った。航空宇宙工学専攻の林さんは、コロナ禍と比べ「活気が戻ってきていいなと思っております」と語った。