第95回五月祭が5月14、15日、キャンパスとオンラインの企画を組み合わせたハイブリッド形式で開催された。キャンパスに来場客を入れた形で学園祭が開催されるのは2019年11月の駒場祭以来。キャンパス内は入構人数の制限があったためコロナ禍以前ほどの来場客は見られなかったが、会場の本郷・弥生キャンパスは企画を出展する学生や来場客で活況を呈した。また過去2年間の五月祭と同様、オンラインでもサークルやクラスなどが企画を出展した。
第95期五月祭常任委員会によるとオンラインでの来場者数はページの表示回数が98.2万回、ユーザー数が約4万8000人だった。キャンパスへの来場者数は「ハイブリッド開催自体や来場者数に関する大学側との調整をすべて公開することが残念ながら難しい」として非公開としている。
ここからはキャンパスの出展企画を写真と共に振り返る。
(構成・中野快紀)
工学部建築学科の「建築学科パビリオン」は「実空間に建てる意味を模索する」がテーマ。コンペで上條陽斗さん(工・4年)のデザインが選ばれた。コロナ禍によって空間がバーチャルなものに置き換えられ、人が集まるのが実空間であるということが絶対視されなくなっている中、そのことに今後建築はどう向き合えばいいのか、そもそも実空間とはどういう特徴があるのかを問う。教室内の展示からはデザイン策定までの苦労も伺えた。
運動会馬術部の乗馬体験。取材した記者もニンジンの餌やりを体験した。ニンジンは馬たちにとってご褒美なようで、五月祭は「ご褒美パラダイス」。1日1頭の馬が「シフト」を担当するため、一日中来場客の相手をする馬は疲れてしまうらしい。
理系・ロシア語選択(通称・理ロシ)の2年生が出展する「りろしのおみせ!」。飲食物を販売できないことからボルシチのペーパークラフトなどを販売した。コロナ禍以前から受け継がれてきた「りろっしー」もテントを盛り上げる。
農学生命科学研究科木質材料学研究室の「巨大木質パビリオン」。学部生から社会人学生まで参加するコンペで2作品が選ばれた。コンペで1位となった高薮弘行さん(農学生命科学・修士1年)の「木鰯群」では合板を曲げて固定し、魚のような曲面を作り上げた。4月にコンペが行われてそこから材料を発注、最終的な組み上げは五月祭前日の1日で終わらせたというから驚きだ。作品はしばらくキャンパスに展示した後、表参道にも置かれるという。
工学部の授業「海外ヒストリックラリー参戦プロジェクト2022」で海外ラリーを戦ったヒストリックカーを展示。学生が1年をかけてレストア(劣化・故障した旧車の復元)を行い、今年2月にイタリア、フランス、モナコで開催されたヒストリックカーラリーに参戦した。
地理部による立体日本地図の展示は学園祭の恒例企画だ。20万分の1の地形図を使って日本列島をミニチュアで再現している。取材した記者も膨大な知識量を誇る地理部員の解説に圧倒され、旅行したくなった。オンラインでも見所を配信した。
東大で生物学を学ぶ学生らによるファッションブランド「Littermate」が学園祭初出展。普段は通販サイト「BASE」などで販売を行っている。今シーズンは「胚発生」をテーマにファッションアイテムを制作。カエルの卵の成長過程をTシャツにあしらった。
フィナーレを終えたセントラルステージ。
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【記事修正】2022年6月6日午後3時6分 誤字を修正しました。