11月16日の関東学生秋季フィギュアスケート交流戦に11人が出場した東大スケート部フィギュア部門。年明けの第97回日本学生氷上競技選手権大会(全日本インカレ)につながる結果となった今大会を振り返ってもらった(寄稿=東京大学運動会スケート部フィギュア部門・中井志帆、写真は全てスケート部フィギュア部門提供)
11月16日、KOSÉ新横浜スケートセンターにて関東学生秋季フィギュアスケート交流戦が開催され、東京大学スケート部フィギュア部門が出場いたしました。
普段TVなどで目にするフィギュアスケート競技会といえば、3回転や4回転ジャンプを跳ぶトップレベルの選手たちが出場する大会でしょうか。しかしフィギュアスケートの大会はそれだけではありません。他のスポーツと同様、競技者の年齢層や後述の級ごとに実に様々な競技会が開催され、選手たちがしのぎを削っています。
この交流戦は競技としてフィギュアスケートに取り組む大学生の大会です。大学入学と同時に部活動としてスケートを始めた選手から、幼少期より競技に打ち込んできた選手までバックグラウンドはさまざま。出場カテゴリは無級〜5級(男子は6級)まで用意されました。この“級“は、フィギュアスケートの技術習得の指標になるものです。各種検定試験を思い浮かべてもらうと近いでしょうか。バッジテストと呼ばれる試験を受け、定められた技を成功させればその級に合格、以降そのカテゴリで試合に出場できるようになります。選手たちは無級から始まり8級まであるテストを順々に受験し、オリンピックに出場するようなトップ選手は7級以上を持ちます。
東大スケート部の部員のほとんどが、競技開始は大学入学時です。氷上を滑ることから始めて4年間の現役生活で2回転ジャンプが要求される3級、あるいはそれ以上を目指して練習しています。
今大会には入部して半年の1年生から4年生まで、11名の部員が出場しました。
初級女子ではスタンドスピンをはじめ全ての要素をまとめ上げ3位、3級男子では2回転トーループを2本着氷して2位を獲得。曲調に合ったコレオシークエンス(スパイラルやイーグル、イナバウアーなどのアイコニックな技を連続で繰り広げる要素)で会場を盛り上げました。
他にも習得したジャンプ全てを着氷する、新しい曲で挑戦的な表現を試みる、スピンを成功させる、など各部員がそれぞれに掲げた目標で練習の成果を発揮し、今後の課題を得ました。この春スケートを開始した1年生部員も初級男子、1級男子のカテゴリで2位と3位に入り、着々と成長を見せています。
他大学の選手にも、普段から同じスケートリンクで練習するリンクメイトがたくさんいます。大学関係なく声援を送り合う温かい雰囲気の大会となりました。
フィギュアスケートのシーズンは秋から翌年の春にかけて。2025年の年始には全日本インカレが控えています。インカレは3級以上で、東日本、西日本の予選を通過した選手が出場できる大学生スケーターの一つの目標ともいうべき舞台です。今年度の東大スケート部は、新たに3名の選手がインカレ出場権の準3級を取得、5名が東日本予選に出場しました。東日本予選男子3・4級クラスでは優勝、準優勝、4位に入賞し、2名が全日本インカレに出場します。
シーズンの締めくくりとなるのは3月の国公立大学フリースケーティング競技会。全国の国公立大学のフィギュアスケート部から選手が集まります。4年生にとっては集大成であり、1〜3年生も1年間の成長を見せたいスケート部員達にとって思い入れのある大会です。
ここからますます熱くなっていくシーズン、部員一同、思い描いた理想の軌跡を氷上に描けるよう頑張っていきます。