東大は11月9日、2021年度前期日程試験の募集要項を公表し、新型コロナウイルス感染症への罹患などで前期日程試験を受けられなかった受験生のための追試験を、21年3月22、23日に行うと発表した。
追試験の対象者は、▽新型コロナウイルス感染症に罹患し、試験日までに医師が治癒したと診断していない者▽試験日直前に保健所等から濃厚接触者に該当するとされた者▽発熱・咳等の症状があり、試験日1日目の検温で、37.5度以上の熱がある者──のいずれかに該当する受験生。東大の担当者によると、追試験対象者が少数にとどまる限り、前期日程試験で募集人員通りの合格者を3月10日に発表し、追試験対象者については絶対評価で選抜するという。追試験の合格者は、3月26日に発表する。その他追試験の受験申請方法などの詳細は、第1次選抜合格者に送付される「受験者心得」に記載する。
さらに、募集要項では、7月公表の選抜要項から2点追加された。まず、外国語のリスニングテストの実施時間について、選抜要項では「20〜30分程度」としていたところを、例年通りの「30分程度」と確定した。新型コロナウイルス感染症対策のため、窓を閉め切る時間を短くすることも視野に入れていたが、30分程度であれば、機械による換気がなされ、感染症対策として問題がないとの判断だという。
加えて、大学入学共通テストの特例追試験の受験者の出願日程、第1段階選抜結果発表日などが盛り込まれた。特例追試験は、新型コロナウイルス感染症による学業の遅れや、試験当日の負傷や疾病により、第1日程(1月16、17日)・第2日程(1月30、31日)とも受験できなかった生徒のため、2月13、14日に設けられる試験。問題作成は、大学入学共通テスト問題作成方針によらないことが決まっている。
前期日程試験の感染症対策は、原則、文部科学省のガイドラインに沿って実施するという。ガイドラインには、座席間の距離の確保や机・椅子の消毒、マスク着用の義務付けなどが盛り込まれている。東大の担当者は「キャンパスの中は安全という状況をつくり出す」と、徹底した対策を誓った。