文部科学省は4日、2019年度大学入学者選抜要項を発表し、各大学に対して入試問題の解答を原則として公開するよう通知した。17年度入試で続発した大学入試問題の出題ミスを受けたもの。東大の対応について、本紙の取材に本部入試課は「これから検討するため、今の時点では回答しかねる」としている。
要項では、一義的な解答を示せない記述式の問題については、原則として出題の意図を公表するか、複数または標準的な解答例を示すよう求めた。18年度以前の要項では、入試問題の解答例と出題の意図を明らかにするよう「努める」としていたが、方針を厳格化した。
入試問題のチェック体制に関しては、昨年度以前の要項では記載がなかった「試験実施中、試験実施後」にも点検を行うよう明記された。外部から入試問題のミスなどの指摘を受けた場合、作題者以外を含めた組織でのチェックを迅速に行うなどの対応を取ることも求めた。
東大は2月7日の記者会見で、「多様な回答のプロセスを重視しており、解答を覚えることは知の発達にとって良くないため」として2次試験の解答を公表しない方針を継続する意向を示していた。
この記事は、2018年6月19日号からの転載です。本紙では、他にもオリジナルの記事を掲載しています。
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