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2017年4月12日

東大で入学式 ノーベル賞・大隅教授「まだ知らない世界求めて」

晴れの日を迎え、笑顔の新入生(撮影・太田聡一郎)

 

 2017年度学部入学式が12日午前、日本武道館(千代田区)で挙行され、新入生2980人とその家族らが出席した。五神真総長と石田淳教養学部長が式辞を述べ、東大の教養学部を卒業し2016年にノーベル生理学・医学賞を受賞した大隅良典・東京工業大学栄誉教授が祝辞を披露。同日午後に大学院入学式も行われた。

 

式辞を述べる五神総長(撮影・太田聡一郎)

 

 学部入学式の式辞で、五神総長は「世界では感情に訴える一方的な断定が大きなうねりとなっている」と知を否定する動きを懸念。知的な探求作業を支える言葉、多様性を尊重する精神の大切さを説き、それらを基礎に「知の持つ力を信じ『知に支えられた真の共感』を作り上げてほしい」と述べた。

 

 石田教養学部長は、後期課程やその先の進路など、選択肢の多さに悩めるのは新入生の特権だとし、後悔のない選択のため教養学部前期課程在籍中に意欲的に幅広く学ぶよう呼びかけた。

 

祝辞を披露する大隅栄誉教授(撮影・太田聡一郎)

 

 大隅栄誉教授は、日本人には他人に自分の考えを伝える努力と、多様性を認める姿勢が欠けていると指摘。多くの人に支えられたという自らの研究生活も踏まえ「前期課程という東大だけが持つ優れた仕組みを生かし、思い切って新しい友人や書物、まだ知らない世界を求めて」と新入生を激励した。

 

 各科類の入学者数は文Ⅰ422人、文Ⅱ375人、文Ⅲ497人、理Ⅰ1165人、理Ⅱ560人、理Ⅲ101人の計3120人。女子学生は636人と全体の20.4%になり、昨年の19.5%より上昇した。留学生は39人だった。


2017年4月12日23:30【記事修正】「大隅」良典・東京工業大学栄誉教授を誤って「大隈」教授と表記している部分がありました。お詫びして訂正します。

2017年4月13日14:00【記事修正】新入生の人数を「2980人」に修正しました。

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