文部科学省は16日、大学入試センター試験に替え2020年度から実施する新テストの呼称を「大学入学共通テスト(仮称)」として実施方針案を公表した。英語は読む・聞く・書く・話すの4技能を評価することを目指し、共通テストを廃止して民間の試験を利用する。国語・数学は記述式問題を3問程度出題し、採点には民間業者を活用。同日大学入試センター(以下センター)は国語・数学の問題例を公表した。
英語で利用する民間試験は、TOEFLや英検などからセンターが認定する。その上で20年度に共通テストを廃止し民間試験を活用する案と、23年度までは共通テストと民間試験を大学の判断で選べ、24年度以降民間試験に一本化する案を提示。今後大学や高校の関係者から意見を募る。民間試験は、高3以降の4~12月中に2回まで受験可能。成績は大学が要請すれば欧州の外国語技能評価基準に従い段階別に表示する。
国語では、現代文の範囲で80字~120字の記述式問題を約3問出題。問題例としてセンターは、駐車場の使用契約書を読み、内容を踏まえたトラブルの解決法を答えさせる問題などを挙げた。数学では数学英の範囲から記述式問題を約3問出題。センターは、場合分けしての解答が必要な問題などを例に挙げた。
作問はいずれもセンターが行い、採点の際は複数の要素の有無による、3~5段階での評価を想定。地歴・公民と理科でも、24年度からの記述式問題導入へ検討を進めている。
実施期日は、1月中旬の2日間。マーク式問題と国語・数学の記述式問題は同一日程の、同じ試験時間内で実施するという。
新テストの実施方針については、文科省の有識者会議が14年から検討を進めてきた。15年12月には記述式問題、16年2月にはマーク式問題の例を提示。記述式問題については、国立大学協会が16年8月に大学で採点する案を提示していた。
この記事は、2017年5月30日号に掲載した記事を再編集したものです。本紙では、他にもオリジナルの記事を掲載しています。
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