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2018年9月26日

東大、英語民間試験の成績提出を必須とせず 2020年度実施の入試で

 東大は9月26日、2021年度入試(2020年度実施)において、英語民間試験の成績を必須の出願資格としないことを発表した。「2021年度東京大学一般入試における出願要件の追加について」と題する文書をウェブサイトに掲載し、明らかにした。

 

 

 同文書では、2021年度入試の出願要件として、従来の出願要件に加えて①民間試験の成績で、CEFRのA2レベル* 以上に相当するもの②CEFRのA2レベル以上に相当する英語力を証明する調査書など、高校による証明書類③何らかの理由で①②のいずれも提出できない場合、その事情を記した理由書──のいずれか一つの書類の提出を求めるとした。民間試験の成績の提出を必須としなかった理由については、トラブルが発生した際に受験生を保護する対応策や責任体制がいまだ明確にされておらず、公平・公正の観点から多くの課題が残されていることを提示。これら新たな出願要件の詳細については、今年12月ごろをめどに公表する。

 

 一方、五神真総長は9月10日、受験生保護の対応策や責任体制を明らかにするよう求める文書を文部科学大臣宛に提出。9月20日には林芳正文部科学大臣と直接会談し、文科省と大学入試センターが入試制度全体に責任を持つ、などの約束を取り付けた。これで「受験生の保護にとって最も重要な点が確認される見通しがたった」ことから、民間試験の成績提出を選択肢の一つとして採用するに至ったという。

 

  英語民間試験の活用をめぐっては2017年11月、全国86の国立大学法人から成る国立大学協会が、国立大学の全受験生に民間試験を課す「基本方針」を発表。今年3月30日には、民間試験で一定水準以上の成績を有していることを出願資格とするなど、具体的活用方法を示す「ガイドライン」を提示していた。

 

  これに対し東大は、今年3月10日、民間試験を入試の合否判定に利用しない方針を発表。一度はこれを翻し「基本方針」「ガイドライン」に沿って民間試験を活用するとしたが、学内から反発を受け、ワーキンググループで方針を再検討してきた。ワーキンググループは7月14日、民間試験の成績提出を求めない方針を最優先案とする答申を発表していた。

 

*CEFRのA2レベル……「ごく基本的な個人情報や家族情報、買い物、地元の地理、仕事など、直接的関係がある領域に関しては、文やよく使われる表現が理解できる。簡単で日常的な範囲なら、身近で日常の事柄について、単純で直接的な情報交換に応じることができる」レベルを指す。実用英語技能検定(英検)における準2級(高校在学中)程度のレベルとされる。

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