福田裕穂理事・副学長(入試・高大接続担当)は11日、定例の記者会見で、英語民
間試験の成績を2021年度入試(2020年度実施)の出願要件にするのは難しいと所見を述べた。文部科学省が1日に、2021年大学入学共通テスト(2020年度実施)で予定していた民間試験利用を延期したことを受けたもの。東大としての対応は、入試監理委員会を開いて検討するとしている。検討の結果は、東大のウェブサイトで発表される予定。
東大は2018年9月に2021年度の入試の出願要件では、民間試験の成績の提出を必須としないことを発表していた。福田理事・副学長は会見で「民間試験を利用する上で問題だとされていた点は、基本的には2018年に東大の入試監理委員会内のワーキンググループで指摘済み」と述べた。問題点を解消するため、文科省内に試験業者や大学・高校の関係者を集めた合議体が設置されたが、根本的な解決には至らなかった。
福田理事・副学長は大学入学共通テストの国語と数学で導入予定の記述式問題にも問題があることを認めた。その上で「政治的な問題となってしまっていることもあり、中途半端に意見を述べるとかえって混乱を招く。もう少し収束した段階で意見を表明することになる」とした。