東大は4月27日、大学入試センター試験にかわって2020年度から始まる「大学入学共通テスト」で利用される英語の民間試験について、国立大学協会(国大協)が3月30日に発表した民間試験活用方法のガイドラインに従い、入試において活用する方針で検討を始めたと発表した。学内にワーキンググループを設置し、検討結果を改めて公表するという。福田裕穂理事・副学長は3月10日の記者会見で、民間試験を合否判定に用いないと明言。国大協によるガイドライン発表後も、東大は本紙の取材に対し「方針は変わらない」としていたが、一転活用となった。
東大はウェブサイトで公表した文書で、国大協発表の、国立大学の入試で民間試験を活用することや4技能評価方法を引き続き検討することを盛り込んだ「基本方針」と、国立大学共通の民間試験活用方法を示した「ガイドライン」に言及。その上で「基本方針およびガイドラインに沿って民間試験の入学者選抜機能を検証し、入学後の教育的効果の検討を行う」とし、入試での英語4技能評価が実効性を持つように努める方針を示した。民間試験を入試に利用するに当たって懸念されている、異なる試験や受験生の間での公平・公正の確保について、東大は「民間試験を入学者選抜に利用するに当たっては十分な検証が必要と考えており、かねてから国立大学協会の場でも表明してきた」と説明している。
国大協は17年11月に発表した基本方針で、2023年度までは民間試験と新テストの両方を受験生に課すことを明らかにした。3月に公表したガイドラインでは、民間試験の点数を①一定水準以上の成績を出願資格とする②共通の対照表に基づき、2023年度まで民間試験と合わせて課す大学入試センター実施のテストの得点に加点する━━のいずれかの方式を基本とするとした。