厚生労働省と文部科学省は5月19日、今年3月に大学を卒業した人の4月1日時点での就職率が、調査を開始した1997年以降で過去最高の97.6%だったと発表した。当時過去最高だった昨年同期の就職率からさらに0.3ポイント値を押し上げ、過去最低の就職率だった11年4月から6年連続での上昇となった。
文理別で見ると、文系が昨年同期比0.2ポイント増の97.3%で、理系が同0.5ポイント増の98.7%。男女別では、男子が昨年同期比0.2ポイント増の96.9%、女子が同0.4ポイント増の98.4%だった。文理・男女いずれの区分でも就職率は過去最高に。地域別では、関東地区の大学が98.8%と日本最高で、就職率最低の中国・四国地区とは3.3ポイントの差が付いた。
就職希望率も昨年同期比0.7ポイント増の74.7%で過去最高を記録。就職率の改善と歩調を合わせて11年以降6年連続で上昇しており、大学生の就職志向の強まりが明らかとなった。一方で国公立大生の就職希望率は55.3%にとどまっており、84.3%と就職希望率が高い私立大生との進路の差が浮かび上がる。
就職率は08年以来、リーマンショックの影響で低下。11年4月の調査では過去最低の91.0%を記録した。しかしその後は改善傾向が続き、今回は最高記録を2年連続で更新した。
今回の調査は、地域性などを考慮して抽出した国立大学21校、公立大学3校、私立大学38校の計62校を対象に実施。就職率は、進学希望者などを除いた就職希望者の中で実際の就職者が占める割合を示している。
この記事は、2017年6月6日号に掲載した記事を再編集したものです。本紙では、他にもオリジナルの記事を掲載しています。
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