東大は東京大学新聞社の取材に対し、4月16日に2021年度第1回総長選考会議を開催したと回答した。東大のウェブサイトでは本年度総長選考会議の委員名簿が公表されており、昨年度議長を務めた小宮山宏氏(元東大総長)ら16人が名を連ねている。
総長選考会議を実施した旨については掲載準備が整い次第順次公開予定と回答しているが、会議から2週間が経過した30日午後7時の時点で東大のウェブサイトには公開されていない。議事録などの詳細な資料を公開する予定があるかについては「未定です」としている。
総長選考会議は、総長の選考や解任の申し出、中間評価を担う学内組織。学内外の有識者から成る経営協議会、東大役員や部局長らから成る教育研究評議会から8人ずつ、計16人の委員で構成される。小宮山氏ら経営協議会から選出の委員は昨年度の顔ぶれから変更されていない。
東大は昨年五神真前総長(東大大学院理学系研究科教授)の任期満了に伴う総長選考を実施。議論の透明性や総長候補者の属性の偏りなどが一部から問題視され、選考に混乱が生じた。最終的に総長選考会議は、学内の意向投票なども経て当時東大理事・副学長の藤井輝夫総長を次期総長予定者として選出。小宮山宏氏は議論に混乱が生じたことを受け、議長を辞任した。その後、TMI総合法律事務所顧問で元最高裁判所裁判官の泉徳治弁護士らから成る検証委員会が立ち上げられ、12月11日には東大側に報告書を提出した。