大竹二雄教授(農学生命科学研究科)らの研究チームは5日、南太平洋・ミクロネシアでのウナギ属魚類の産卵・回遊生態などを解明するための大規模海洋調査を7月11日~10月4日に行うと公表した。学術研究船「白鳳丸(=写真)」を用い、ウナギ属の幼生のDNAを増幅させ地理的分布を把握するなど最新の手法も導入。この海域でのウナギ属の大規模調査は例がなく、ウナギ属の資源管理や保全・完全養殖への貢献が期待される。
ウナギ資源の枯渇は世界的課題だ。東アジアや欧米に生息するウナギは生態の研究が進む一方、南太平洋の7種の研究は極めて少なく、資源的な評価すらできていなかった。今回日本やニュージーランドなど9カ国で構成する国際研究チームは、海域へ碁盤の目状に配置した全ての測点で同じ調査をする方法を南太平洋で初めて実施する。
生態などと共に海洋環境の情報も計画的に収集することで、南半球のウナギの保全に加えウナギ属全般の資源が変動する仕組みの解明も期待される。
2016年7月14日 07:00 【写真修正】 解像度の高い写真に差し替えました。
この記事は、2016年7月12日号からの転載です。本紙では、他にもオリジナルの記事を掲載しています。
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