いよいよ二次試験まで残り5日だ。浪人して東大に入学した東大生のが、高校3年の受験の失敗の理由について語ってくれた。 ナマの大学生の声を参考にして欲しい。
私が本格的に東大を志望校としたのは高2の冬だった。周りが受験勉強に取り組み始めたため、志望校について熟考。学校の担任教師・当時通っていた塾の先生・両親などの意見や、それまでに受けてきた模試の結果を踏まえて決めた。
しかし東大を目指す一方で、東大そのものに対する畏怖の念を抱いていた私は、芳しくない模試の成績が返ってくるたびに「東大はやはり私には雲の上の存在なのだろう」と思い、東大に現役合格するという目標を現実のものとして捉えることができなかった。 それでも「本試験までにまだ成績は伸びるはずだ」と自身に言い聞かせ、配点の大きな国語・英語の対策を中心に、東大受験に必要な勉強を続行した。
そしてセンター試験を迎えた。得点率は8割強。これで、無いに等しかった自信が完全に消え去った。「二次試験で逆転だ!」とかすかな望みをかけて自らを奮い立たせる一方で、「やっぱり東大は自分には遠い存在なのかもしれない」と弱気になった。 しかし、二次出願状況の情報を集め、自分の得点でも第一段階選抜は十分突破できると判断し、東大文Ⅲに出願。 前期試験当日。センター試験の得点率の低さからくる不安で精神的に疲弊していたため、私は半ば諦めていた。「とにかく早く終わってくれ」と思いながら全科目を解答。 前期合格者発表当日。発表のページに自分の番号はなかったが、予想通りだったので、ショックは小さかった。
ところが翌日想定外のことが起きた。郵送されてきた前期試験の開示を見ると、合格最低点との差は0・7点。私は、この点差は合格者との学力の差ではなく、精神力の差だと考えた。日々努力をしてきたにもかかわらず、精神的に委縮し続けたことに対して悔しさが込み上げた。 浪人して東大に入学した今でも、高校時代、成績が悪い時も、東大現役合格の意志を強固に持って最後まで諦めなければよかったと思っている。