文化

2023年3月23日

憧れだけじゃもったいない 初心者がDIYに挑戦!

DIY

 

 DIYをしたことはあるだろうか。今回、記者は最近見たあるアニメをきっかけにDIYに初挑戦した。大学生にとっては長い春休み、新たな趣味にチャレンジしてはどうだろう。

 

 DIYすなわち「Do It Yourself」とは、字義通りには「できることは自分の力でやろう」という意味で、元々は第2次世界大戦後のロンドンで戦後復興のスローガンとして生まれたといわれている。今日では特に、家具など身の回りの必要な物を自力で作ることを意味し、老若男女問わず人気の趣味の一つだ。一方、DIYを始めるハードルが高く感じられ、興味はあるがやったことはない人も多いのではないだろうか。木材などの材料はもちろん、材料を加工する電動ノコギリ、ネジを打ち込む電動ドライバーなどさまざまな道具や、作業する場所も必要だし、そもそも不器用だから失敗しそう。記者もそうした印象を持っていた人の一人。テレビの向こうのDIYに胸躍らせても、それは憧れでしかなかった。

 

 しかしある転機が訪れた。それは昨年10月から放送されていた『Do It Yourself !!—どぅ—・いっと・ゆあせるふ-』(アニメーション制作・PINE JAM)というアニメとの出会い。DIY部の高校生を描いた作品で、ストーリーだけでなく、リアルに描かれたDIY作業の様子も魅力的だ。物語にはブックスタンドやタブレットスタンドなど実用的な物から、貝殻やシーグラスを使ったアクセサリー、憧れのツリーハウスなど素敵な作品が多く登場する。その魅力に引れていたところ『Do It Yourself !!』のDIY作品を監修するDIYクリエイターの「スワロDIYちゃんねる」さんが自身のTwitterで、第1話に登場するブックスタンドの作り方を公開しているのを見つけた。シンプルなデザインで初心者でも手が出しやすそう。そこで、投稿を参照しながらこのブックスタンドを作り、DIYに初挑戦することにした。

 

材料・道具

 

【材料】
・厚さ9mmのOSB合板
・目の粗さが中目のサンドペーパー
・木工ボンド
・35mmの細ビス(ビスとは小ネジのこと)

 

【道具】
・ジグソーもしくはノコギリ
・電動ドライバー
・ドリル

 

作り方・ポイント

 

【作り方】(スワロDIYちゃんねるを基に作成)

(1)9×910×1820mmの合板から各バーツを切り出す(ジグソーを使用すると曲線がカットできる)。
(2)背板と底板をボンドとビスで固定する(この際 90°の角度で合板を固定できる「L字クランプ」というアイテムを用いると楽)。
(3)横版と中板を固定する。
(4)前の支え板を固定して完成。

 

【ポイント】(スワロDIYちゃんねるを基に作成)

・パーツを切り出したら、サンドペーパーで面取り(鋭利な部分を角面や丸面に加工すること)をしておく。
・ドリルで下穴を開けてからビス打ちすると失敗しない。
・OSB合板は集成材になっていて見た目がよく、そのままで素敵な仕上がりになる。
・材料が少なく初心者向け。

 

 

完成予想図(画像はスワロDIYちゃんねる提供)
組み立て図(画像はスワロDIYちゃんねる提供)

 

準備

 

 まずは道具と作業場所を用意しよう。必要な道具は電動ノコギリと電動ドライバーだ。ただ、電動ノコギリを使って板材を切る作業は不安なので、木材加工はホームセンターでやってもらうことに。さて電動ドライバーだが、いきなり高価な道具を購入するのは気が引ける。何か方法はないか調べたところ、二つの選択肢が見つかった。一つ目は、作業場所と道具を借りられる DIY工房の利用だ。スタッフに教えてもらうことも可能なので初心者も安心だ。とても魅力的だが、記者の家の近くにはないため断念。二つ目は、インターネットやホームセンターでの道具レンタルだ。インターネットなら電動ドライバーは1000 円以下で借りられるものあるようだ(送料は別)。手頃なので、道具をレンタルして自宅の庭で作業することにしよう。

 

 次にホームセンターで、紙やすりやボンド、ネジなど必要な材料を購入。なんとなく電動ドライバーのコーナーを眺めていると、送料込みのレンタルドライバーと変わらない値段で売っているものを見つけた。そこで電動ドライバーもやはりその場で購入することにした。

 

お供の電動ドライバー

 

作業1日目

 

 いよいよ作業開始。といっても今日は、電動ドライバーを使ってネジ打ちの練習を行う。このドライバーは安いながらも、穴開けをするドリルと、ネジを締めるドライバー両方の機能を持つので便利だ。早速、ホームセンターで購入した 30円の端材を使って練習。まずはネジを打つ場所に穴を開けて、ネジを打ちやすくする。穴開け用の芯をドライバーに装着し、木材に対して垂直になるよう気を付けて穴を開ける。十分な深さの穴が開いたら、ネジ締め用の芯に付け替えてその穴にネジを打ち込む。穴あけの時よりずっと手がぶれてしまうので、真っすぐになるように慎重に進める。少し曲がった気もするが、割とうまくいった。

 

初ネジ打ち

 

 次に、板材がもう一つの板材に対して直角になるようネジを打つ練習をする。固定せずにそのままやろうとすると、2枚の板材の境でネジが浮くのでまずは木工ボンドで仮留め。本当は留め具があると良いのだが今回は用意していない。次に、板材の厚さの中央にネジが来るように注意しながら打ち込む。ここでネジが曲がると板材の表面に露出してしまうかもしれないので慎重に。留め具なしでも十分うまくできた。大丈夫そうだと思いつつ、何度か練習した。

 

作業2日目

 

 木材加工をしてもらうため再びホームセンターへ。設計図も持っていくとスムーズだ。加工してもらった合板を利用していよいよブックスタンドの製作開始。まずは背板と底板を固定するために木工ボンドで仮留めする。30分ほど乾かして、いざネジ留めと思い持ち上げたところ、バキッ! 固定が取れてしまった。まだボンドが乾いていなかったようだ。もう一度ボンドを付け直し、今度は1時間半放置。念には念をいれ、養生テープで補強した上で今度こそ、いざネジ留め! 底板と背板の固定をするために3カ所にネジを打つ。打ち込みが板の端に近すぎて若干合板が割れてしまったが、なんとか固定に成功した。

 

 残りのパーツも取り付けよう! と思ったがもう夕方。思ったよりも時間がかかった。3枚の横板をボンドで仮留めして、残りは明日に回すことにしよう。

 

自宅の庭で行った組み立て作業

 

作業3日目

 

 いよいよ作業最終日。まずは昨日仮留めしておいた横板をネジで固定する。昨日は端に近すぎて合板が割れてしまったので、余裕を持ってネジを打つ。やや手慣れてきたように感じる。

 

 最後に横板の前面に支柱を取り付ける。ラストのネジ留め。慎重に打ち込む。ネジが曲がってしまい、少し板が割れてしまった。有終の美とはいかなかったが、キズも手作りの魅力かもしれない。木材の角が立っていると危ないので、仕上げに紙やすりで軽く整えて完成だ。思ったよりもうまくできた。少し合板が割れた所やずれてしまった所もあるが、味があって悪くない。既製品には見劣りするが、愛着のあるものになった。ちなみに全体の製作費は6199円だった。

 

ついに完成したブックスタンド。完成予想図の通り作ることができた

 

 実際にDIYをやってみたが想像以上に時間がかかり、組み立てだけにも関わらず丸2日かかってしまった。理由は明白で「L 字クランプ」という固定器具を用いずに、ボンドで固定していたからだ。それでもうまくいったが、どこか泥くささを感じるDIYになった。今回は組み立てだけだったが、十分楽しかった。設計や加工はまた今度頑張ろう。

 

 DIY知識が全くない記者の体験ではDIYに憧れる読者に道を示すことはできなかっただろうが、少しでも興味のある方はぜひやってみてはいかがだろう。 【音】

 

アニメ『Do It Yourself !!』の公式ホームページはこちら

 

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