教養学部は7月26日、前期教養課程の学生を対象に、学生生活におけるダイバーシティーとインクルージョンをテーマにした動画5編を公開した。動画は学習管理システム「ITC-LMS」上から閲覧できる。
この動画はダイバーシティー尊重の意識を高めること、ハラスメントの背景にある構造的な権力格差を理解することなどを目的として製作された。動画作成に当たっては、ダイバーシティー関連の研究を行なっている教員の他、性的マイノリティー支援や性差別・性暴力防止に関する活動を行なっている学生サークルも携わった。視聴の有無は単位の取得と関係ないが、授業の課題として視聴が求められる場合がある。
5編の動画のうち、「大学における合理的配慮と基礎的環境整備」では障害のある学生への支援の取り組みを紹介。「ジェンダー」では主に東大の男女比を中心とした問題について、大学側が危機感を持っていること、格差を埋めるべく協力してほしいことなどが訴えられた。「多様な性的指向と性自認」「性的同意・性暴力について」はそれぞれ学生サークルが動画作成を担当し、大学生の普段の会話や日常生活でどのように発言・行動するのが適切か、逆にやってはいけないことは何かを実例を通して学べるようになっている。
さまざまな属性の人々が所属している状態である「ダイバーシティー」と、多様な人々が互いに尊重され、組織に受け入れられている状態を意味する「インクルージョン」は藤井輝夫総長の就任時より、東大において重要視されてきた。今回の動画の公開に当たって、森山工・教養学部長は「いずれの動画も、東大生として、および一人の人間としてこれだけは知っておいてもらいたい、さらには自らのあり様を反省的に振り返るきっかけとしてほしい、という思いから作られています」と動画の意義を説明。「これらの動画を通じた学びは、みなさんのこれからの勉学・研究やキャンパス内外での活動を豊かにするはずです」と動画の視聴を呼び掛けた。