東大は2月12日、2025年度入学試験(前期日程)第1段階選抜結果を発表した。今回の選抜から予告倍率が理Ⅲ以外の科類で引き下げられた影響もあり、3年ぶりに全科類で第1段階選抜を行うことになった。
東大入学試験(前期日程)では、募集定員に対する志願者の倍率が各科類予告倍率に達した場合、大学入学共通テストの成績を基に2次試験の受験者を選抜する。25年度入試から共通テスト利用教科に「情報」が追加され1000点満点で評価する。
![2025年度第1段階選抜](https://www.todaishimbun.org/wp-content/uploads/2025/02/af4a8f9942a05259691f8765c15bebe9.png)
第1段階選抜の平均点と最低点の得点率は、昨年と比べ全科類で上昇。特に文Ⅲでは最低点の得点率が昨年から約8.2ポイント上がった。最低点は理Ⅱが最も高く814点(1000点満点)だった。入試企画担当の太田邦史副学長は昨年、第1段階選抜が行われなかった文Ⅰ・文Ⅱで最低点が大幅に上昇したことから「第一段階選抜としては妥当な形の選抜結果」だったと評価した。
総志願者数は8421人(前年比1011人減)で2004年以降最低だった。予告倍率引き下げの影響について太田副学長は全体的な得点の上昇から「受験生に大きな影響はなかった」と認識しているとした。授業料値上げや学生支援策拡充の影響については今後分析していく。
東大は7月12日の記者会見で、予告倍率を文科各類では昨年の3.0倍から2.5倍に、理Ⅰでは2.5倍から2.3倍に、理Ⅱでは3.5倍から3.0倍に変更すると発表。理由は大学入学共通テストによる基礎学力の確認を厳格にし、2次試験の採点をより深く丁寧にするため。
25年度入試は学習指導要領改訂を受けて、2次試験の内容を新旧教育課程履修者双方に配慮して実施。一般入試の成績は、共通テストの成績(1000点満点を110点満点に換算)と2次試験の成績(440点満点)とを総合して算出される。
2次試験は25~27日(27日は理Ⅲのみ)に行われ、3月10日に合格者が発表される。