東大は2025年度入学者選抜について、7月12日に記者会見を開き説明した。一般選抜の第1段階選抜を行う基準となる倍率を、五つの科類で引き下げることを明らかにした。
第1段階選抜を行う基準倍率は、文科各類では昨年の3.0倍から2.5倍に、理Ⅰでは2.5倍から2.3倍に、理Ⅱでは3.5倍から3.0倍に変更。理Ⅲは3.0倍のまま変わらなかった。変更の理由は、大学入学共通テスト(共通テスト)による基礎学力の確認を厳格にし、2次試験の採点をより深く丁寧にするため。配慮が必要な受験生やトラブルへの対応を柔軟に行う目的もあるという。第1段階選抜の倍率の変更は、23年度入試で理Ⅲが3.5倍から3.0倍に引き下げられて以来。東大の一般選抜では例年、入学志願者が各科類の募集人員に対して一定の倍率に達した際、共通テストの成績によって第1段階選抜が行われている。
25年度入試は、学習指導要領改訂を受けて、共通テストの利用科目や2次試験の内容を新旧教育課程履修者双方に配慮して実施する。また、一般選抜・学校推薦型選抜ともに共通テスト利用教科に「情報」が追加される。学校推薦型選抜では既卒者の出願可能な期間の制限がなかったが、卒業後1年までとする制限が新たに加わる。学校推薦型選抜での既卒者の扱いの変更は、多様な学生を望む東大の方針と、これまでの合格実績などから決定したという。
12日の会見では藤垣裕子理事・副学長が、受験生が対象となる可能性がある授業料引き上げの実施の有無について「11月までには決定」すると発言した。
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