東大は12月22日、2回目となる大学債「第2回国立大学法人東京大学債券」を発行した。調達金額は100億円で年限は40年、利率は年0.853%の長期債となっている。
大学債はソーシャルボンドと呼ばれる種類の債券で、社会的課題の解決に取り組むプロジェクトの資金調達のために発行される。東大は五神真前総長の下開始された未来社会協創(FSI)事業へのため2020年10月に大学債の初回発行を行い、発行予定額200億円に対し6倍を超す1260億円の注文が集まっていた。
使途について、20年に東京大学新聞社が行った取材ではオンライン授業へ対応したスマートなキャンパスを目指したリノベーション、またハイパーカミオカンデなどの大型先端科学施設などを挙げ、それらの中から優先順位を立てて投資先選ぶとしていた。今回発行された大学債では、これらに加えて本年度就任した藤井輝夫総長の任期中の行動指針UTokyo Compassで掲げられた基本理念「多様性と包摂性」を実現したキャンパスに向けての投資も行っていく予定だ。
国立大学の債券発行はもともと附属病院など直接的な収益を見込める施設の建設にのみ認められていたが、東大の提案もあり、20年6月に要件緩和が実現。20年10月に発行した第1回の大学債には自治体、学校法人、企業などが投資家して名を連ねており、20年から10年間で最低1000億円の債権発行を検討するとしている。