東大は6月1日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大以降5度目となる五神真総長のメッセージをウェブサイトで公開し、東大が設けている活動制限指針を同日よりレベル3からレベル2に引き下げたことを発表した。現在進行中の実験や研究を継続するために必要な最低限の関係者の立ち入りが許可される。ただし、対面での授業や課外活動は引き続き禁止されている。同日には総合文化研究科・教養学部における活動制限を示す「ステージ」もレッドBからレッドA(レベル2に相当)に引き下げられた(リンクはこちら)。
五神総長のメッセージによると、対面の会議や実験、研究の実施条件が緩和されるレベル1への引き下げはレベル2への引き下げから2週間後、対面授業や課外活動も部分的に許可されるレベル0.5への引き下げはレベル1への引き下げから最短でさらに2週間を予定しているという。しかし、COVID-19拡大前の基準であるレベル0への引き下げに関し五神総長は「最低でも1〜2年の時間がかかるのではないか」と述べるなど慎重な構えを示した。Sセメスターの講義は全てオンラインで実施し、対面で行う必要がある実習や演習はS2タームから夏期休業の期間にかけて実施するという。また研究室やフィールドでの活動も、活動制限レベルの引き下げに応じて徐々に再開していくとした。
五神総長は新型コロナウイルス感染下で生活するWith-Coronaの社会について、3密(密閉・密集・密接)への対策などを通して感染を防ぎながら、大学が本来の機能を発揮できるようにしていく必要があるとし「Pre-Coronaの状態に単に戻すのではなく、Post-Coronaにおける大学は、より進化したより良い姿にしなければなりません。このあとしばらく続くWith-Coronaでの生活が、その準備や助走となるようにできればすばらしいと思います」と話している。東大としても、オンライン講義やオンライン会議といった活動を大学活動の中に位置付けるなど改革を進めつつ、Post-Coronaの新しい大学づくりに努めていくとした。