2018年度卒業式が3月26日に挙行され、学部生3017人が卒業した。25日の学位記授与式では修士課程生3082人、博士課程生1103人、専門職学位課程生301人の計4486人が修了した。
卒業式の告辞で五神真総長は、世界の混乱の原因として世論が一方向に流れやすくなっていることを指摘。背景にはインターネットの発展に伴い、自らが多数派だと思い込みやすくなったことがあるという。全体の表層的理解ではなく、対話を通じて個人の多様な側面に目を向けることや、個別の事例を熟知して全体を知ることの重要性を説いた。その上で他者と共に多様な幸福が緩やかに結合する社会を模索する「多様性を活力とした協働」をけん引してほしいとした。
卒業生答辞は金田真悟さん(工・4年=当時)と依田遥香さん(文・4年=当時)が述べた。金田さんは「世界を技術で変える」という信念の下、分子レベルの大きさの機械であるナノデバイスを研究。先達が築いた「昨日までの常識」を破ることが、科学の発展につながると述べた。依田さんは、自分が考えた・感じた内容を言葉にすることや、言葉にできると信じつつ過信しないことの重要さを学んだと回想。東大での日々を「自分を知り、考える時間だった」と振り返った。