8カ月の休業期間を終えて4月2日、中央食堂が満を持してグランドオープンした。しかし、食堂内でUTokyo WiFiや携帯電話会社の電波がつながらないという問題が発生。学生から不満の声が上がっている。東大生協の担当者によると、5月中旬をめどに携帯会社の電波に接続できるようになる予定。UTokyo WiFiについては、東大が設置の可否を検討中だという。(取材・児玉祐基)
食堂内で全く電波が通じないことに、多くの学生が「不便」と不満を募らせた。文学部・4年の学生は「友人と合流できずに困った」と話す。農学生命科学系・修士1年の学生は「大学の食堂として論外」と切り捨てる。「パソコンを持ち込んで議論するなどの『場』の提供も当然のサービスではないか」。生協の担当者によると、学生や教職員ら生協の組合員が生協の店舗に意見を送る「一言カード」にもWiFiの設置を求める声が相次いだという。
生協の担当者は、本紙の取材に対し「利用者の皆さまにご不便をおかけして申し訳ない」と謝罪。5月中旬をめどにNTTドコモ・auの電波に接続できるようになるという。ソフトバンクの開通は予定されていない。UTokyo WiFiは、東大が設置の可否も含めて検討中だ。
電波が通じないのは「回転効率を上げる一つの手段といえる」(学際情報学府・修士1年)、「食堂は滞留するための場所ではないのでWiFiはなくてもよい」(工学系・修士1年)との意見もあったが、担当者は「全くその意図はなかった」と話す。「混雑時以外は食事だけでなく、作業や勉強の場としても使ってほしい」。
電波不通の理由は、電波を設置するのが東大なのか生協なのかを決めないまま工事を進めたこと。担当者は「より根本的な部分の工事や組合員さまを迎える開店準備の中で、曖昧になってしまった」と話す。
その背景の一つに工期の短さがある。「ご不便をおかけする期間を短くしたいという思いと、新学期には開業したいという思いがあった」。東大の施設部や工事関係者も相当な苦労があったとのことだが、もともと卒業式に間に合うよう3月19日に予定されていたプレオープンは3月26日へ後ろ倒しに。プレオープン後も、営業時間外に未完成部分の工事を続けていたという。
2018年4月19日11:45【記事訂正】見出しを変更し、UTokyo WiFiの表記を訂正しました。