文化

2021年4月25日

【サークルペロリ】「若い世代にニュースを届ける」➡Newsdock

 友人との会話で、政治・経済・国際情勢などの世の中のニュースについて話し合うことはあるだろうか。日本に住む学生ならば「はい」と答える人は少数派だろう。2020年6月にNewsdockを設立した大宮凱さん(養・4年)は「台湾に留学した際、多くの若者が政治的なテーマについて活発に議論している姿を目にしました」と話す。その経験が、日本の若者のニュースへの関心の低さを客観視する契機となり「放課後の教室や飲み会でニュースが話題に上る日本に」という信念の下、仲間と活動を始めた。現在は東大以外の大学のメンバーも加わり、15人で活動している。 

 

 新型コロナウイルス流行下に設立したサークルということもあり、活動は全てオンラインで行っている。三つのチームに分かれ、週に1度のオンライン会議で、各チームで記事の案を出したり、構成を練ったり、書いた記事を校正したりといった活動を行う。加えて、2週間に1度サークル全体で集まり、直近で出した記事を批評し合ったり、今度の活動で改善できる点を話し合ったりしている。「会議ではさまざまな大学・学年の学生が意見を出し合うことで化学反応が起き、これまで考えたことのなかった発想が生まれることがある」と大宮さんは語る。

 

和気あいあいとしたオンライン会議(写真はNewsdock提供)

 

 記事を作成する上でのこだわりも多くある。その一つは、取り上げるニュースに関してさまざまな意見を紹介することだ。そこには、SNSなどを通じて人々の言論が極化し、増強されていくことを防ぎたいという思いがあるという。それぞれの記事では、問題に対する複数の立場を説明した上で「あなたはどう思うか」と読者に投げ掛けることで、考えるきっかけを提供している。

 

 情報の視覚化も重要視している。記事の内容を説明する画像を加えることで、ニュースの堅苦しさを取り除き、一目見て理解できる記事を作るよう心掛けている。特にインスタグラムでは文字よりもグラフィックがメインの投稿が多い。

 

各チーム内で意見を出し合い、分かりやすいグラフィックを模索する(写真はNewsdock提供)

 

 最後に今後の活動について「学生にインタビューをしたり座談会を開いたりして、さらに深掘りした記事を作っていきたい」と大宮さんは語る。加えて、東大以外の大学の学生との輪も広げて、より多くの見方や意見を発掘していこうと考えているという。記事を書きたい人、メディアに興味がある人、グラフィックデザインに興味がある人、さまざまな学生と社会の話題について議論したい人など、多くの人が活躍できるサークルだ。

(弓矢基貴)

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