じめじめとうっとうしい梅雨の季節は心もふさぎがち。そんなときこそ、熱い温泉に入って気分転換してはいかがだろうか。昨年できたばかりの「温泉サークルOKR(おける)」の活動に参加し、気軽に行ける都内の温泉を堪能してきた。
6月上旬の週末、都営三田線志村坂上駅にメンバー数人が集まる。その日の目当ては前野原温泉「さやの湯処」だ。駅から徒歩8分とアクセスが良く、周辺住民の憩いの場になっている。まとめ役の池田春花さん(文Ⅲ・2年)に案内され、早速現地へ向かう。
人数分の回数券を購入、男女に分かれてのれんをくぐる。午後7時30分を集合時刻とし、午後5時30分に入浴開始。たっぷり2時間ほどかけて温泉を楽しむのが常で、ただ湯に漬かるだけでなく設備や泉質にも注目するという。
「さやの湯処」は内湯と外湯に分かれている。内湯では、高濃度炭酸泉やジェットバスといった多種多様な温泉を楽しめる。外にはウグイス色の湯が特徴の源泉風呂をはじめ、1、2人で入る小さくて深い「つぼ湯」や、数センチの浅い湯に寝そべって漬かれる「寝ころび湯」などがそろっている。さらに中と外に一つずつサウナがあり、気持ちよく汗をかける。それらを巡りながらも、池田さんは洗い場の収容人数を数えたり泉質に関する説明書きを読んだりと熱心だ。
入浴後は施設内のレストラン「柿天舎」で食事。入浴して気付いたこと、良かった点などを各自が発表する時間も設けられている。「塩サウナを体験したのは初めてだった」「寝ころび湯が気持ちよかった」と思い思いの感想が出され、池田さんが記録していく。
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温泉サークルOKRは、昨年夏に創設された新しいサークル。月に2回ほどこうした湯巡りを開催している。今年2月には少し足を延ばし、群馬県の草津温泉で合宿を行った。温泉に詳しい代表・比護祐介さん(文Ⅲ・2年)の下「温泉として認められるのは25℃以上または一定以上の成分を含んだ源泉」といった温泉に関する知識も得られる。
今年の五月祭では「温泉割り」の模擬店と「足湯カフェ」を出店した。温泉割りとはお酒や清涼飲料水を温泉の水で割ったもので、体に良いとされる「飲泉」を体験できる。この温泉の水は、親しくしている温泉施設から提供してもらった本格的なものだ。「足湯カフェ」では足湯でリラックスしながら飲み物を味わうことができ、来場者にも好評だったという。
発足して間もないこのサークルが次に目指すのは、学生の視点を生かした温泉ガイドブックの作成。温泉の専門家と協力し、温泉の設備や泉質、実際に入浴した感想といったデータをまとめて世に出すのが目標だ。「まだまだ構想段階ですけど」と池田さんは話すが、東大発の温泉ガイドブックを書店で目にする日を楽しみに待ちたい。
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部員約60人、インカレ。
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【サークル紹介】
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この記事は、2016年6月21日号からの転載です。本紙では、他にもオリジナルの記事を掲載しています。
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推薦の素顔:村松 海渡さん(理Ⅰ・1年→工)
サークルペロリ:温泉サークルOKR
連載小説:『猫と戦争と時計台』㉜
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キャンパスガール:藤川華織さん(工・3年)
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