先日開催された五月祭のテーマは「渦を巻く」だったが、渦を巻くといえば「なると」。脇役になりがちな「なると」を主役にしたレシピを、東大卒の食文化研究家、スギアカツキさんに聞いた。
「渦かくしそば」
渦の下には何がある?
そんな好奇心の先には、おいしく味付けされた鶏肉が待っています。麹で漬けた鶏肉は簡単なのに絶品の味で、学生時代に覚えて欲しい料理法。今は便利な時代で総菜肉が手頃に売られていますが、自分で下味をつけて焼く鶏肉の味は格別の味。忙しい人にこそ、おいしさに妥協をして欲しくありません。
なるとをどれだけ薄く切れるかもチャレンジして欲しい工程。「麺に一枚」という常識にとらわれず、たっぷり乗せましょう。何かが隠れているというワクワク感は、食べる楽しみを与えてくれます。
【材料(1人分)】
・ゆでそば※1 1人前
・なると 5センチ分
・鶏もも肉 50g
・塩麹※2 小さじ1
・みりん 小さじ1
・しょうゆ※2 小さじ1
・キュウリもしくは青ネギ お好み量
・めんつゆ(ストレート) お好み量
※1 そばは生麺や乾麺をゆでて冷やすのも良し、市販のゆで麺を使うのも良し。
※2 塩麹はスーパーで200円前後で購入可能。しょうゆ麹が手に入る場合は、しょうゆ麹小さじ1を加えて。
【作り方】
所要時間・10分(下味を付ける時間を除く)
(1)(前日に行う)厚手のビニール袋に塩麹としょうゆ、みりんを加え、小口切りにした鶏もも肉を入れて、外側からよくもんで下味を付ける。空気を除いてしっかりしばり、冷蔵庫で置いておく。忙しい場合は食べる1時間前に漬け常温に置く。
(2)なるとを薄く切る。キュウリは薄切りにしてから細切りに。青ネギは細かく刻む。
(3)下味を付けた鶏肉を、温めたフライパンで弱めの火で様子を見ながらゆっくり焼いていく。油はひかなくても、肉から油が染み出すので焦げずに焼ける。
(4)ゆでそばを皿に盛り、真ん中を少々くぼませて鶏肉を乗せる。その上からなるとをかぶせるようにトッピングしていく。仕上げにキュウリとネギを添えて、めんつゆをかければ完成。
記者が挑戦
「好きな分だけ盛り付けられる」という自炊の長所を生かしたレシピだ。鶏肉は食べる1時間前に漬け始めたが、塩麹効果で柔らかく、味もよく染み込んでいた。
迫力ある見た目とおいしい鶏肉が現れる仕掛けは、友人や家族に振る舞うのも楽しいだろう。
◇
この企画は、東大農学部卒の食文化研究家・スギアカツキさんに「頭を使って一工夫した簡単レシピ」を教えてもらう連載です。
この記事は、2018年5月15日号からの転載です。本紙では、他にもオリジナルの記事を掲載しています。
インタビュー:東大生よ、「革命家」であれ 葛西啓之さん(和太鼓グループ彩 代表)
ニュース:東大生協 中央食堂の絵画廃棄で謝罪 保存可能性共有されず
ニュース:3月の記者会見から一転 英語民間試験を入試活用へ
ニュース:硬式野球早大戦 先発好投も九回に決勝打浴びる
ニュース:アメフト国士舘大戦 最終Qに逆転許す
企画:赤門前が避難場所? 新発見 本郷と安政江戸地震の関係
企画:五月祭2日目に小社主催シンポジウム AIの応用研究と社会実装の射程
企画:~迷ったらここに行こう~ 編集部厳選 おすすめ企画11
本郷キャンパスマップ
知のRecipe:自炊でも「渦を巻く」 渦かくしそば
キャンパスガール:中牟田春美さん(育・4年)