受験

2021年3月11日

【受験生応援】最後まで諦めるな!国公立大学後期試験入試へのアドバイス

 国公立大学の前期試験の結果が出そろった。新型コロナウイルス感染症の影響は続いているものの、無事合格を手にし、新生活への期待へ胸を膨らませている人もいることだろう。一方で、まだ入試は終わったわけではない。3月12日からは、国公立大学入試の後期日程がスタートする。東京大学新聞社が国公立大学後期試験に出願したことのある大学生に向けて行ったアンケートの結果を基に、最後まで粘り強く戦いに挑む受験生へのアドバイスを贈る。

(構成・鈴木茉衣)

 

なぜ後期試験を受験するのか

 

 まず「後期試験に出願した理由」について。回答者の75%に当たる60人が「浪人を回避するため」と回答した。「後期試験を受験した理由」に国公立大学であることを重視した回答が複数あったことから、経済的な事情なども関係していると考えられる。次いで多かったのは「志望大学だったため」という回答。「志望学部だったため」という学問分野を意識した声や「実家に近かったから」という立地を重視した声、さらに「親に言われた」「担任に勧められた」などの声も見られた。

 

 受験を決定したタイミングを聞いたところ、実際に後期試験を受験した回答者の7割以上が「前期試験を受験するより前」と答えた。必ずしも前期試験の感触は関係していないと言えるかもしれない。最終的に受験を決めた理由の多くは「浪人回避・私立大学進学の回避」と「前期試験の感触が悪かった・結果が不合格だった」に大別されたが、中には「急きょ後期の大学が自分の中で第一志望に躍り出た」「前期日程で受験した大学より自分のやりたいことへの専門性が高かった」という入学後の学びに魅力を感じた前向きな回答や「落ちて浪人の決意を固めるため」という逆説的な回答も。

 

 「後期試験を受験しなかった理由」としては「前期試験または前期試験以外に合格し、進学を決めたため」が9割近くを占めた。「新型コロナウイルス感染症の影響で試験が行われなかったため」という回答も複数見られたが、緊急事態宣言が延長されたことなどを鑑みると、本年度も入試に関する最新情報を確認しておくことが引き続き大事になってくるだろう。

 

過去問への取り組み方は?

 

 次に、具体的な対策の方法について見ていこう。後期試験を受験した回答者・受験しなかった回答者共に、最多の6割以上が「過去問を解いた」と回答。過去問は「メルカリで古い年度のものも入手した」という回答や、教材として前期試験の過去問を利用したという回答があった。いずれも演習量を確保したい場合に有効だろう。過去問演習全体については「後期試験の問題はあまり取り扱うことがないため、学校の先生などに協力してもらいより密度の濃い対策にする必要があると思う」というアドバイスがあった。過去問演習に次いで多かった対策の内容は「単語など知識の確認」だった。

 

 後期試験は小論文が出題されたり面接が課されたりするなど、前期試験とは形式が異なることも少なくない。面接については「情報が少ない」「何を聞かれるのか分からなかった」という声が複数あった。条件は皆同じなので、志望理由を聞かれたときのためにその大学についての情報を確認しておくなど、最低限の対策は行った上で「面接対策だけで家にこもらずに、気分転換で運動などをした」という回答を参考にしてみるのも良いかもしれない。

 

 小論文やそれに近い形式の試験についても「そもそも小論文系の試験をほぼやったことがなかった」「採点の際どのような箇所で加点・減点されるかがはっきりしない」との声が見られた。有効な対策はやはり過去問演習だ。「過去問を解き、模範解答と解説を読み採点をし、塾の先生にも添削してもらい解説してもらいつつ一緒に議論した」「緩まないように毎日小論文を書いていた」「添削を学校の先生にお願いした」などの回答はぜひ参考にしてほしい。

 

モチベーションの維持が鍵

 

 対策において、何が障壁になるのだろうか。1番多かったのは、周囲の多くが進学を決めている中でモチベーション維持に苦労した、対策に身が入らなかったという声だった。「塾の先生に話を聞いてもらった」「大学のホームページやオープンキャンパスの資料などを何度も読み返して、なぜその大学に入りたいのかという理由を強固なものにした」「仕方ないと割り切ってひたすらに我慢していた」など、その解決方法はさまざまだった。

 

 最後に、後期試験受験生へ寄せられた応援メッセージの一部を紹介する。モチベーション維持のために役立ててほしい。

 

「後期試験を乗り切った後はこの1年間の自分を褒めまくりましょう」

 

「最後まで頑張った者勝ち。でも入っちゃえば前期も後期も一緒。結局は何とかなる」

 

「とにかく強い気持ちを持つことが大事だと思います。前期の延長戦ではなく、むしろここからが本番くらいの気持ちで、より確実な対策をしていくと良いと思います」

 

「少しでも進学する気があるなら気を抜かずに頑張ってください。自分も後期で大学に進学したのが正しかったのかという問いの答えは一向に出ませんが、高校時代よりは少し真面目になれた気がします」

 

「情報面でも不安があるかと思います。もし学校の先輩など少しでもつてがありそうであればぜひ探してみてください。経験者の話を少し聞くだけでも大きな精神的アドバンテージが得られると思います」

 

「なかなか対策は手に付かないと思いますが、おそらく全員がそうだと思うので、前期の発表からどれだけ自分を精神面で立て直せるかが焦点だと思います」

 

「前期の手応えがどうであれ、後期試験が終わるまで全力を尽くしてください。最後まで粘り強く努力した者に勝利の女神は微笑みます」

 

「なせば成る!なさねば成らぬ!」

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