東大総合文化研究科・教養学部と数理科学研究科は8月2日、駒場Ⅰキャンパスの整備を実施する予定だと発表した。ソーシャルディスタンスを保ちながら、歓談や休息ができる空間の整備を目指す。駒場Ⅰキャンパスの学生からもアイデアを募集するとし、アンケートに回答するよう協力を求めた。東京大学新聞社は、整備の目的や経緯、アイデアを募集した理由などを教養学部に取材し、23日に回答を得た。
キャンパス整備の目的や経緯について、教養学部は、これまでも感染防止のために学外での会食や宿泊に細心の注意を払うよう呼びかけてきたことに言及しつつ「学生にお願いするだけでなく、キャンパス内で安心して勉強できる場を提供することも必要だと考えた」と回答。東京大学新型コロナウイルス対策タスクフォースの「しっかりとした学内のキャンパス整備を進めることにより、学外よりも安全安心な学習環境を維持することが可能ではないか」という意見も参考にしたという。整備の第一弾として、夏季休暇中のコミュニケーションプラザ南館食堂ホールの開放が30日に始まった。他にも優先順位の高いものから早急に着手する予定。事業の規模は未定だ。
学生からアイデアを募ることにしたのは、当事者である学生の居場所や勉学環境としてのキャンパス整備という観点で実効性や満足度を高くするため。新型コロナウイルス感染拡大という制限下で東大構成員が協働してキャンパスを「つくる」姿勢が重要だと考えているという。23日時点で約70件の意見が集まった。
総合文化研究科・教養学部と数理科学研究科のウェブサイトで2日に掲載された資料や、総合文化研究科・教養学部生を対象に16日に発表された「新型コロナウイルス感染防止対策に係る注意喚起」からアンケートにアクセスできる。23日時点で募集期限は設けておらず、学生からの意見は夏季休暇中に限らず可能な範囲で取り上げる方針。