専門は宇宙物理学。幼少期に読んだ宇宙に関する本がきっかけで、ブラックホールなどに漠然と興味を持った。手の届かないような現象にも思えたが、それが自分の手で調べられることに気付いた。ブラックホールなどのSFのような現象も、りんごが木から落ちるような身近な現象も、物理法則で普遍的に説明できる。その可能性に魅力を感じ、理学部物理学科に入った。
学部2年次には国立天文台で銀河の観測を、3年次には米プリンストン大学の研究インターンに参加。自分の興味を見極めながら、研究職を目指す未来に向かって進む。観測による未知の天体現象の発見とそれを説明するような新しい理論の構築は「飽きっぽい性格」の自身を楽しませ続けるはずだという。
その時々の好奇心に対して素直な姿勢は、4年次五月祭で寺田寅彦を紹介した自身の発表とも重なる。物理学者で文学者でもあった寺田を分析して得た「純粋に何かを楽しむ姿勢を大事に」の教訓を体現し続ける。【井】
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